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第14話
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王様は鎧を着て馬にまたがり村をでました。途中、村の入り口で大臣と合流し2人で街道を大急ぎで走りました。
愛する「或る人」を助けるために、
一方、宿で国民に捕まり、木箱に詰められた「或る人」は1人泣いていました。
もう2度と王様に会えない。ちゃんと最初から気持ちを伝えておけばよかった、こんな状態じゃ王様に言葉を残すこともできない。愛する王様に想いを伝えられない…。こんなにも愛しているというのに…。ごめん…。
木箱の中で揺られながら「或る人」は1日掛で中央に戻されました。中央では市民がお城の前で食事を楽しんでいました。飢えを満たされた彼らは、もうさほど怒ってはいませんでした。それどころか中で貴族達がもがく声を聞いて高らかに笑っていました。時折、ざまぁみろ!と市民からヤジが飛んだり、高いお城の塀越しにワインのボトルを投げ入れたりしていました。
市民の中には「或る人」を嫌っていた将軍や貴族達がたくさんいました。彼らは独自に、国民に対して施しを続けていたので市民達に許されたのです。そういうことの大切さを彼らに教えたのも王様でした。
木箱に入った「或る人」が届くと、「或る人」を嫌っていた将軍や貴族達がその身柄を受け取りました。そしてどうするか決まるまで街外れにある監獄の地下牢に入れておくことになりました。
将軍、大臣、貴族が集まり話し合いました。
ある将軍は
すぐに処刑すべきだ!
と言い、ある大臣は
「或る人」を傷つければ王様が悲しむ
と言い、ある貴族は
見世物にして貶めてしまえばいい
と言いました。将軍も大臣も、みんな「或る人」に意味もなく突然クビにされた人達でした。貴族達も成り上がり者で品の無い「或る人」を冷たい目で見ていました。
そう、そこにいる人達はみんな「或る人」のことが大嫌いだったのです。同時に、みんなは王様が大好きでした。優しく真面目な王様を狂わせた「或る人」が、そういう意味でも嫌いでした。しかし、「或る人」は王様が愛した人。傷つければ王様も大なり小なり悲しむとも思いました。
そんなこんなで会議は荒れまくり、1日経っても決まらず、明日に持ち越しになりました。
明日で革命勃発から6日、立てこもる貴族達も限界でした。
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