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「「「「お疲れ様でしたー」」」」
今日は珍しく4人の上がる時間が同じだったので、駅までみんなで帰ることになった。
というのも、今日は混むと予想されていたためマスターが全員のシフトをラストまで組んでいたのが理由だ
「はー、足ぱんっぱん」
「大丈夫?おんぶしてあげよっか」
翔が項垂れながらそう言うと、善さんは心配そうな顔をしてそんな事を言い出す
いやいや、おんぶってどう見ても逆だろ
「いやいやいや、善さんそんな事したら潰れちゃいますよ」
「うん。やめておきな」
翔と千紘さんがすかさず止めに入ると、善さんはクスクスと楽しそうに笑った
本当に、冗談なのか本気で言っているのか分からない
「あ、さっきの遊びに行くって話どうします?」
「俺はバイトがある日以外だったらいつでも大丈夫だよ」
「俺も〜」
俺、善さん、翔の順でそう答えると千紘さんはスケジュール帳を取り出して何やら考えているみたいだった
そしてある日にちを指差して
「8月11日からお盆に入るんだけど、マスターが大変だからその前にお店を二日間休みにするって話してたんだよね。
だから、9日か10日のどっちかはどうかな?」
なんとものんびりとしたマスターらしい。
そうみんなも思ったのか、顔を見合わせて納得の表情だった
「いーね。俺は空いてるよ」
善さんの言葉に俺と翔も同意し、その日にみんなで出掛けることに決まった
今度は何処に行くか、だった。
「はいはい!俺、海行きたい!」
「はは…っ、今からはしゃいでどうするの」
お兄ちゃんと弟、みたいな感じで千紘さんと翔は話している
「爽太はどこか行きたいとこある?行きたいところ言っていいよ」
「俺はみんなで遊べれば何処でも良いです」
翔はさっきまで子供みたいにはしゃいでいたくせに、急に大人びたような顔つきになった
そして、善さんも千紘さんも同じ顔で俺を見て穏やかに笑った
「ほんっと素直だね」
善さんは少し背伸びして俺の頭をポンポン、と撫でた
そして翔も優しく笑ってそれに同意した
「クールな見た目してんのに、素直すぎるとか良い意味で中身と外見が合ってない」
それを言うなら翔だってそうだ。
見た目はチャラチャラしてるのに、真面目だし、礼儀正しいし
あと、千紘さんも黒髪で爽やかそうなのに以外と言葉遣いが荒い時もある
「俺からしたら翔も、千紘さんも善さんも第一印象から想像していた性格とは違いましたよ」
特に善さんは。
見た目はスッ、と流れために漆黒の髪や瞳、白い肌は全体的になんだか冷たそうに見えた
けれど本当は優しくて、穏やかで、暖かくて、少し揶揄われるときもあるけど、それでもやっぱり優しい
「ま、人は見かけによらないって事だね」
「あはは。上手くまとめた風」
さり気なく毒吐く善さんは、意地悪く笑っていて
その顔すらも綺麗だから何なんだ、と思ってしまう
「はやっ、もう駅じゃん」
そう言ったのは口調から察する通り、もちろん翔だ
「じゃー解散で。
9日か10日のやつはまた後で連絡するね」
千紘さんの一声で、みんなはそれぞれの方向へ歩き出して解散することになった
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