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「あ、善さんたちもうすぐ来るって」
えー?と買ってきたお菓子を二人を待たずに開封し、ボリボリと頬張りながらそう言った
……床に食べカス落としてるし
「二人が来る前に食べ切るなよ?」
「大丈夫大丈夫」
「そう言いつつもすごい量食べてるけど」
細いのにどこにそんな入るんだか。
俺もよく食べる方だし、体もデカイけど翔には敵わない
翔はお菓子でもご飯でも何でも、別腹と呼ぶには容量が大きすぎる腹があるみたいだ。
「ねー、爽太たちってヤッたの?」
「……っ、何だよ急に」
今のどこにそういった話の流れがあったのか。
当の本人はニヤニヤしながら俺を見つめてくる
「アホみたいに素直だな。そんなんじゃ尋問掛けられたときすぐにバレるよ」
「いや、尋問掛けられるときなんて無いから」
鋭いんだか馬鹿なんだかよく分からない。
でも、たまにドキッと核を突くような質問を投げかけてくる
「はいはい。………やっぱ男同士って大変?」
「え?なん、で…?」
翔ってノーマルだよな?
あれ?でもそんな話一度もしたことなかったんだっけ……
「翔って男が好きなの?」
「んー、まーね」
俺と善さんの関係が知れてしまった時も、そんなに動揺しなかったのはこれが関係していたのも理由の一つかもしれない
ただ、翔がそういうのに偏見が無いのは元々だと思うけど
「そうなんだ。全然知らなかった」
「ははっ、だって誰にも言ってねぇもん」
翔は、オープンに見えて意外と自分のことは話さないよな。
今だって俺から聞かなければ知らなかった事だし
「でも、その人結構手強いんだよね」
「へぇ……嫌われてんの?」
「とことん失礼だな、お前」
翔はお菓子を食べる手をいつのまにか止めていて、麦茶を一口飲んだ後静かにテーブルに置いた
「多分…気付いてると思う、俺が好意を持ってんの」
「何、翔って分かりやすいんだ?」
そう言うと首を横に振った
ということはその相手が鋭いんだ。翔以上に
「…つか相手も分かってるならなんで何も言わないんだろ。優しさ故?」
「んー…わっかんねぇ………。でも、なんとなく俺じゃないって事は分かるんだよな…」
落ち込む訳でもなく、ただ冷静に分析している、そんな風に見てとれた。
翔がこんなに悩むって事はそれほど想いが強いんだよな
「爽太、気になる?誰のことを好きかって」
そういう質問をするって事は、きっと俺も知っている人なんだろう。
探るように聞かれた俺は言葉を選びながら喋る
「うん、気になる…かな。…でも無理して言わなくていいよ。
翔が今言わなくったってどうにもならないし、言ってもどうにかなる訳じゃない。俺たちの関係はこのままだよ」
翔は何故だか満足そうに微笑んで、麦茶を一気に飲み干した
喉仏が上下に動いて、音を立てた後に息を大きく吸った
「俺、千紘さんが好き」
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