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―――
身体の相性はバッチリだな、と涼しい顔をしてニヤリとする所がまた憎らしい。
喘ぎ疲れて闇へと吸い込まれる意識に、言い返すことも出来ないまま眠りに落ちていく。
ーーー
強面の男達に囲まれ、その中心で俺は踞(ウズクマ)って怯えていた。
「お前は邪魔だ。消え失せろ」
コツコツと革靴の音を鳴らしながら、こちらへと近づく声の主。
やっぱり。俺なんて要らないんだ。だったら最初から優しくしないでほしかった。
右手には拳銃を持っていて、空いた左手で前髪をガシッと掴まれ痛みに顔が歪む。
俺、何か悪いことしたかな?
あぁ殺されるんだ、と諦める。
この人達は絶対やるタイプの人だ。情けで助けてやろうなんて、きっとない。
「お前は堅気だ、1発で仕留めてやる」
銃口が額へと当てられ、全身が震えて、恐怖を紛らわそうとギュッと目を閉じた。
バァンッーー!!
「うああぁぁっっ!!」
飛び起きると酷い汗で、……夢?
「どうした?泣くほど怖い夢でも見たか」
大きな手のひらが頭へと伸びてきて、さっきの夢と重なり恐怖を感じる。
思わず逃げるように首を竦めてしまい、怪訝な表情を向けられた。
それでも頭へと触れた大きな手のひらは、髪を鷲掴みにすることなく優しく俺の頭を撫でた。
「俺が怖いか」
こうやって優しい貴方は怖くない。けれど、夢の中での貴方は俺を殺した。
いつ夢のように殺されるか、その恐怖はある。
怖いか怖くないか、どちらとも言えず、ただ首を横に振ることしかできない。
「言ってみろ。言うとスッキリする」
貴方に殺される夢を見た、なんて言えない。
荒い息のまま恐る恐る許しを請うように見上げた先には、真剣な瞳でこちらを見つめる、けれどヤクザらしくない優しい顔があって。
「何、も…」
嘘をつくのは昔から苦手で、今も上手く誤魔化せている自信はない。
「言え」
その証拠にたった2文字の、かなりの威圧をかけられている。
言わなきゃ許してもらえないだろう空気を察知して、顔色を窺いながら発した夢の内容は途切れ途切れで。
「殺されてっ…。銃で、撃たれて、頭っ」
言いながら恐怖を感じるのは、あの光景を鮮明に思いだし、正夢になるんじゃないかと不安に思っているからか。
「所詮夢だ。だが…夢でも、お前を撃ったのは誰だ」
貴方です、なんて口が裂けても言えない。
言ってしまったら、それこそ本当に殺されてしまうと思うんだけど。
「誰がお前を撃ったんだ」
フルフルと頭を左右に振ったけれど、それで許してもらえるはずもなく。
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