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楽
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真壁から付き合おうと言われた日からもう2日経った。
あの後、真壁は部活に行った。
あの大きすぎる家はオートロックだから勝手に家を出てと言われ、僕も家に帰った。
それからは特に連絡を取ることもなく、月曜日を迎えた。
「おはよ」
教室の机に突っ伏していると礼央が不機嫌そうに僕の前に現れた。
「なんで返信しないの。家に行ってもいないって言われるし」
珍しく礼央は怒っていた。
まぁ僕が悪いんだけど、それでも君に会いたくなかったんだよ。
『ごめん』
うつむいたまま小さく謝る。
「別にいいけど、何もなくてよかったよ」
こんな最低な僕を心配してくれる。
本当に礼央は優しい。
僕が何をしていたかも知らないで
「ちなみに!もうわかってると思うけど、俺彼女できた!」
『、、、、知ってる。』
知ってるよ。
あの悪夢は忘れない。
忘れたくても、辛すぎて思い出したくもないのに頭にこびりついて落ちない。
「これでお前が彼女作ればダブルデートとかもできるな!」
そんなの作る気ないよ。
僕は女は好きになれない。
いや、君以外好きになれないから
『彼女なんていらない』
「なんでだよ、真琴モテるのに」
それは君に彼女を作って欲しくなくて女に言いよったからだよ。
『必要ないし、受験あるし』
「えーでもさぁ、癒しも必要だよ」
もうやめてくれ
「なんだったら、朱梨に紹介してもらう?」
やめてくれよ
「そしたらお互い幸せじゃん」
『必要ないって言ってるだろ!!』
教室が静まり返った。
普段おとなしい僕が声をあげたから、みんなが驚くのは当然だ。
当然礼央も驚いていた。
『ごめん』
それだけ言って僕は教室から逃げ出した。
変に思われただろうか。
急に声をあげるなんて、僕らしくない。
この一週間いろんなことが起きすぎて僕の情緒は間違いなく不安定になってる。
ただ教室に痛くなくて出てきてしまったけど、もうすぐ一限が始まる。
予鈴もさっきなっていた。
でも、戻りたくないな。
なんだか気まずい、、、、、、
戻ろうかどうしようか悩んでいると、いつのまにか中庭まできてしまった。
同時に一限の始まりを知らせるチャイムの音が鳴る。
戻ろう。
そう思い後ろを振り返ると。
「また泣いてんの」
真壁が立っていた。
こいつはどうしてこうもタイミングが悪い時に出くわすのか。
「なんかあったの」
『何もないし、泣いてなんかない』
実際、さっきまで泣きそうだったから自分が今どんな顔をしているのかわからない。
『てか、お前こそ何してんだよ』
さっきチャイムがなっていたぞ。
一限はとっくに始まっている。
「え?サボりだけど」
真壁はあたかも当たり前だろというような感じで答えた。
『いや、サボるなよ』
「あんたこそ」
そう言われるときまりが悪い。
僕なんて特に受験生だし、、、
まぁ今日の一二限は家庭科だったし、そんなに支障はない気もするけど。
「よし、せっかくサボるならもっと楽しいところ行こうぜ」
真壁はそう言って僕の手を引っ張った。
『え?真壁!僕は戻るよ』
「HRは出てるんだから欠席にはならないんだろ?だいたい、教室に戻れないからここにいるくせに」
そ、それはそうだけど
でもそれとこれとは、、、、、
だいたいくそまじめな僕に楽しくサボれなんて無理がある
「今日だけいろんなこと忘れてデートしようぜ」
真壁は前を向いたままつまらなそうに言った。
そ、そんなデートの誘い聞いたことがない。
なんて思いながらも真壁の腕を振りほどけないまま、学校を出てしまった。
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