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国際的なホット・チョコレート
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***
「わぁ~!なにこれ…ココア?」
「ホット・チョコレートらしいよルイ。」
「今日寒いからねぇ~」
4人で着いたテーブル。シュンは日本のお面、
確か…【般若】みたいな顔でエリックを
睨んでるよ~。
エリックも笑ってはいるけど
チラチラと横を見ながらすごくシュンを気にしている。
「もしかしてお邪魔してちゃったかな?」
「違う!!」
そこに爆弾を投下する人物と、
立ち上がり怒るシュン。
そんなシュンをなだめて座らせるエリック。
…んん?二人ってこんな雰囲気だったけ?
「そっかそっか、エリック。
何、恥ずかしがることはない。
なんてったって若いうちは色々と
旺盛の方がいいからねぇ。」
クスクスと笑う斜め前の人物の様子に、
シュンは眉間に思いっきりシワを寄せ、
エリックは苦笑いをしながら首を傾げた。
「ハハ…本当相変わらずだなぁ。
あれ、そういえば、二人はもう知り合い?」
「はぁ?ちげーよ。
この前から本当なんなんだよお前」
「まぁまぁお姫様。そう怒らないでよ
…そうだ、自己紹介してなかったんだ!
申し遅れるなんてナンセンス。
俺はゼン・ファン。国籍、見た目もろとも
中国だけど産まれも育ちもここフランス。
よろしくね、シュン・スガワラ」
嫌そうな顔をしながら「よろしく…」
と返すシュン。まぁ…ゼンから話を聞いて限り、
初対面であんなに言うなんて
ゼンが悪いから仕方がないんだけどねぇ。
「シュン、ゼンは俺の中等部からの友達なんだ。」
「へぇ…」
「そしてエリックの親友だ。」
そうだね、とふわっと微笑むエリック。
とは反対にちょっとご機嫌ななめのシュン。
ニヤニヤとしているゼンは絶対確信犯だよねぇ。
「シュン、たまたまの腐れ縁みたいなモノだよ~。親同士が昔から仲良くてねぇ?」
これ以上シュンの気が立たないように
軽く補足すると、目をパチパチと
させながら聞いてくれた。
「へぇ…フランスにイギリスに中国…
随分国際的な家族なんだな」
「ナンセンス。俺はちょっと違うかな。
ファン家は代々エティエンヌ家に仕える
バトラーだからね。」
「バトラー…?」
「そっか、シュン日本には馴染みがないよね、
エティエンヌ家はフランスにおける
貴族階級の家なんだ。
そういう家には古くから住み込みの使用人や
執事がいて、代々信頼を買っているんだよ」
いつものようにわかりやすく、
優等生な回答のエリック。さすがだよねぇ…
「へぇ…なんかかっこいいな」
綺麗にニコッと僕に笑ってくれたシュン。
その可愛らしい笑顔に心臓がドキリとする。
「ん?でもエリックも…「で?今日は
どういう要件で収集をかけたの?」
何か言いかけたゼンを笑顔の圧力で
制するエリック。二人の間のアイコンタクトに
シュンはホットチョコレートを
飲んでいて気づいていなかった。
「わかったよ、王子サマ」
大袈裟に両手を上げ、
もう何も言わないという意思を表示したゼン
「あ~…そうだ、今日はねぇ、
この件のことで来てもらったんだぁ」
スッと、薄紫の封筒を取り出す。
そこには【パティスリ・ワールド・アワード
~フランス大会】と書いてある。
封筒を見て、驚いたように目を見開き、
お互いの顔を見るエリックとシュン
「ふふ、そんな反応だろうと思ったよ~」
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