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イギリスで迷子
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そして30分後、俺は見事にイギリスまできて、
道に迷っていた。
***
エリックのお母さんにお使いを頼まれた俺。
エリックのお母さんは今風邪を引いてるらしく、
「お客様なのに本当にごめんなさいね」と、
とても申し訳なさそうに頼まれた。
頼まれた物は、茶葉と市販のチョコレートと
ファミリーサイズのバニラアイス、ジャムだった。
チョコレートとバニラアイスはなんと
エリックのお父さんの大好物らしい。
意外な一面を知れたことに俺の中で少しだけ
エリックのお父さんのイメージが変わった。
「にしても…」
住宅街を抜けたらスーパーがあるから、
と言われ簡単な地図を渡された。
確かに住宅街はある。
けれど地図に描かれた[池]だけは
どこにも見当たらなかった。
携帯のナビ機能があるから大丈夫、
と言ったけれどよく考えれば地名もわかない。
「どうするかな…」
もう一度戻ってエリックのお母さんに聞き直すか?でもかなり歩いてきてしまった。
携帯のGPS機能を使うしかない、か…
~♪~♪
「!?」
突然鳴った携帯に驚く
画面には【ゼンお兄ちゃん♥】と表示された。
こんなことする奴はただ一人。
勝手に設定変えただろあいつ…!
電話に出るといつもの
浮かれたような声が飛んできた。
《シュンく~ん、元気?》
「…お前勝手に人の携帯いじっただろ」
《え?なんで?可愛くなーい?》
可愛くねーよ…
「はぁ…で?なに?用事あるんだろ?」
《用事?そんなのないよ~》
用事が、ない?
《シュンくん大丈夫かなーって。
エリックのパパ、超怖いしねえ。》
ゼンは今、クリスマスに中国に帰っている。
中国は仏教徒の国だからクリスマスの習慣は
ないけれど、休暇を利用して本家に帰った。
それをわざわざ電話してきたってことは、
もしかしたら心配してくれたのかもしれない。
《で?特に問題なしって感じ?》
「いや…道に、迷った。」
《え?》
そう聞こえた後に電話の向こうからは
爆笑しか聞こえてこなかった。
しまいには咳き込んでるし。
言わなきゃよかった…やっぱゼンはゼンだ。
《シュ、シュンくん、まじ?》
まだ、ヒーヒー言ってるゼンに
「もう切るぞ」と言う。
《待って待ってシュンくん、ここで朗報だよ》
「なに。」
《俺とルイはよく、
小さい頃シュンの家で遊んでいた。》
「あっそ。」
《シュンくーん、相手の言葉から
推理しないのはナンセンスだよ》
「何が言いたいんだ…ん?まて。
お前ここら辺の土地勘あるの?」
《そーゆうこと。》
初めてゼンから電話が来て
良かったと思った瞬間だった。
《さてシュンくん、どこに行きたいの?
今の場所を教えてくれればお兄さんが
優しーく指示してあげるからね》
「今は…住宅街、近くに看板がある。
それと、スーパーに行きたい」
ゼンの指示通り歩いていくと、
クリスマスセールと描かれた看板が見えてきた
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