アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
対青葉城西
-
俺は家に帰るとすぐにタンスの奥底にしまったスコアブックを取り出した
このスコアブックは俺が作った特殊仕様だ
過去に対戦した相手のこと試合内容が細かく書いてある
動画を見ながら付けることが多いこのスコアブックには1ポイントに何分かかったか
決めたとき誰が打って誰が上げたか、体勢はどうだったかクロスなのかストレートなのかなど兎に角細かく書いてある
シューズやボールなどは東京の家に置いてきたが、このスコアブックと試合のDVDだけはこっちに持ってきていた
この時点で未練たらたらって事にいまさら気がついて自分に鼻で笑った
「あやちゃん。集中するめにまんまとゆっこね」
「はーい。ばあちゃん」
下からなにやらうれしそうなばあちゃんの声が聞こえた
居間に行き、ちゃぶ台の前にばあちゃんと向かい合う形で座る
「何かいいことあったの?ばあちゃん」
ばあちゃんは俺の茶碗を持って台所へ行くために立ち上がった
「ん。あやちゃんがね」
「俺?」
俺の茶碗にご飯を盛りはあちゃんが戻ってくる
「楽しそうだから」
「なんだよそれぇ」
ばあちゃんはふふっと笑い両手を合わせる
俺もそれに倣い両手を合わせた
「いただきます」
「召し上がれ」
田舎は都会と違って時間の流れが遅く感じる
それでも、同じ時間の流れなのだから明日までの時間は少ない
「ばあちゃん。俺、ちょっと」
「わがってるよ。あどでお茶もっでくね」
なにをばあちゃんはわかったのかは俺にはわからないがばあちゃんが少し生き生きしてるように見えるから可笑しい
「おう。頼んだ」
ばあちゃんは俺にひらひらと手を振るとお茶をすすり目線をテレビへと移した
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
20 / 136