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練習が始まった
午前中はみんなに声をかけつつ烏野の試合を見た
午後、俺はみんなとはなれて1人アップをする
試合まではあと4時間ある
こんなに早くからやる必要があるのかっていわれると困るが、念には念を入れておきたかった
「綾斗さん。鵜飼さんが呼んでます。って、なんでそんなに汗かいてるんですか!?」
「あ、蛍。わかった今行く」
「いや、今行くじゃないですよね?無理なアップとかしてないですよね?」
バレーをするようになってから蛍がやたらと俺を心配してくる
「するかよ。無理したらアップの意味ねーだろうが」
俺はスポーツタオルで汗を拭き、蛍と鵜飼さんの所へ行く
「きたか綾斗。本当にこのメンバーでいいんだな」
「わがまま言ってすみません。お願いします」
鵜飼さんは俺から他のメンバーに目を移す
「えー今から綾斗をセッターにした15点マッチの試合をする。メンバーは影山、日向以外は全員入れる予定だからそのつもりでいろ」
全員がざわつく
俺は隣にいた日向に声をかけた
「ごめんな日向。俺が影山みたいに上手ければいいんだけど、そうでもないからさ」
固まっていた日向が動き出す
「え、あ、・・・はい。」
あ、すげぇショックそう。ごめん
最初のメンバーは
ーーーーーーーーーーーネット
俺 蛍 旭
力 成田(夕) 大地
試合前に俺はみんなに作戦を伝える
「ブロックは俺がセンターをやります。でもこれだと攻撃に支障が出てくるので、3枚ブロックを捨てます」
「綾斗さん身長低いのに大丈夫ですか?」
「一言余計だ、蛍。ま、俺はソフトブロックしかできません。蛍の言うとおりドシャットできるだけの能力も身長もないからな。けど俺がブロックしたボールは夕、西谷に持っていきます」
全員が?マークを浮かべながら俺を見る
「まぁやってみればわかると思います。あとはー、俺はスガさんや影山のようにみんなと合わせた事はありません。だから、好きに動いていいです。影山ほどドンピシャなトスは上げれませんがそれでもみんなが打ちやすいトスを上げる自信はあります。…これ、位ですかね」
俺はいまだ出てくる汗を拭いた
「せっかく試合できるんです。15点なんてあっという間、だから沢山ラリーをつなげましょう。1秒でも長く俺をコートに立たせてください」
みんなが散り試合の準備をする
俺はゆっくりと深呼吸した
「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム、我は求め訴えたり」
「なんですか?それ」
小さな声で唱えた緊張を和らげる呪文を蛍に聞かれた
地味に恥ずかしい
「悪魔を呼ぶ呪文だよ」
「綾斗さん。大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ、うっさいなー。今日の蛍好きじゃない」
ずっと突っかかってくる蛍に俺はイライラし、その場を離れた
朝食の時も昼食の時わざわざ隣に来て、嫌味を言ってきた
ほんと可愛くない
「じゃぁどうしろって言うんですか。綾斗さん」
そうつぶやいた蛍の声は俺には届かなかった
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