アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
記憶の少年。ー梓の場合ー
-
小さい頃に、僕のお父さんが居なくなった。
その後に、お母さんが居なくなった。
そうしたら、叔父さんが僕の手を引いて僕は叔父さんの家族になった。
後で、お母さんはお星様になったのだと教えてくれた。
叔父さんは、お母さんのことが好きだったらしい。
僕の顔を見るたびに、お母さんに似ていると優しく頭を撫でた。
お父さんもお母さんも居なくなって寂しかったけど、叔父さんが優しくしてくれると嬉しかった。
優しい叔父さんが好きだった。
小学4年の頃、お母さんに似てるって、髪を伸ばしてとお願いされたので伸ばすようになった。
叔父さんは愛おしそうに髪に指を通す。
くすぐったかったけど、嫌じゃなかった。
中学に入ると、水泳の授業には出るなと言われた。
なぜかわからなかったけど、言うことを聞いた。
中学1年の秋、叔父さんにキスされた。
好きだから、するんだって。
叔父さんは寂しい人。
好きな人と一緒に居られない寂しい人。
あの日から、叔父さんはお母さんの名前を呼びながら僕の体に触る。
叔父さんは、僕にお母さんを重ねることで幸せになれるんだ。
体をなぞる指も、お母さんの名前を呟く声も、とっても優しかった。
苦しかった。
その行為は僕に与えられるものじゃない。
まるで人形のように頭を撫でられ優しく抱かれる。
乱暴にされるわけじゃないのに、叔父さんが僕を抱きながら他の誰かを同時に抱いていることに虚しさを覚えた。
高1の冬、僕が学校に行っている間叔父さんはお母さんのお墓参りに出掛けていた。
僕が家に帰ると叔父さんは泣いていた。
どうすることも出来ずに立ち尽くしていると、何故か頬を叩かれた。
唖然とする僕に叔父さんは荒々しく唇を重ねた。
初めて叔父さんを怖いと思った。
嫌がる僕の服を乱暴に引き剥がすと無理矢理体を重ねた。
痛かった。
泣いた。
布団の中でうずくまる僕をおいて、叔父さんは何処かへ行ってしまった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
37 / 87