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ヒナギク
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「ねぇ、今暇?一緒に遊ばない?」
突然声をかけられ、最初は誰に言っているのかわからず反応しなかった。
すると、その声はさっきよりも近く、僕の前で発せられた。
パッと上を見上げると、僕と同じくらいか、少し上なのか、茶色い髪をしっかりセットして、今風な、それよりも少し遊んでそうな感じの男の人たち3人くらいに囲まれた。
「あ、えっと…、ご、ごめんな、さい…僕…」
あたふたといいどもりながら、謙太郎に助けを求めるように目を向けた。
謙太郎は頷いて席を立った。
「暇じゃないので」
「何彼氏?」
「いーじゃん、俺らと遊んでた方が楽しいよ絶対‼︎」
全く聞く耳を持たない様子でまた僕に話を振られたじろんでしまう。
謙太郎は僕を庇うように間に入ると相手を睨んだ。
「こいつ男だし、連れもいるし、諦めろよ」
「えっ、男‼︎?」
座っていたせいで、背が分からず、僕のことを女の子だと思っていたらしい相手は少し動揺したが、もう一度僕を見て、一歩踏み出した。
僕はビクッとする。
謙太郎がすかさず止める。
僕は座りっぱなして、半ばテンパっていたので何も言葉がですにいた。
謙太郎が間に入ったことが不快だったのか相手が謙太郎の胸倉を掴んだ。
「どけよ」
「どかない」
すると、他の2人が僕の方に歩み寄って来た。
それに気づいた謙太郎の邪魔をするように胸倉を離さず手を掴み、僕との間に簡単に割り込んだ。
そして、僕は手を掴まれた。
「ま、どっちでもいいしさ。遊ぼーよ。男か女なんて後で分かるっしょ」
「おい‼︎」
謙太郎が叫ぼうが御構い無しに彼らの掴む手に引っ張られるようにして腰が浮く。
僕は怖くなりながら、無言で首を振り、必死に抵抗を試みるが、やはり筋力のない僕には対した抵抗もできない。
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