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補習 3(雪said)
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「おお、よく解けてる。なんでテストで出来なかったんだよ」
小テストの採点をしながら先生がぼやく。
2日目の補習は英語。
小テストは、実力テストの問題を少し変えて作られているんだけど……。
昨日、爽ちゃんが教えてくれたおかげで丸が一気に増えた。
「わーい!昨日ちゃんと勉強したんですよ~」
返されたプリントに喜ぶ僕。
「ほー、それは感心。次は来週な」
英語の先生が教材を片付ける。
僕も帰る支度を始めた。
今日は時間ぴったりに終わることができた。
爽ちゃんは先生達より教えるのが上手だと思う。
僕が分からないところを的確に指摘して、解説してくれる。
幼なじみ故の意思疎通と距離感。
爽ちゃんは僕のことをなんでも分かってくれる。
いちばん近くて、いちばん遠い爽ちゃん。
誰よりも爽ちゃんに近いところにいるはずなのに。
幼なじみという、越えられない壁が疎ましい。
「なんてね」
こんな気持ちは早く隠さなきゃ。
僕は、しゃんと背中を伸ばして校門へ向かった。
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