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03
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昼休みになり
俺は伏せていた顔をあげた
そーいや、屋上に行かなきゃなんねぇんだっけ…
琉衣の席の方を見ると
もういなかった
先に行ったのか
声くらいかけてくれたらよかったのに
俺はめんどくさいと思いながら
屋上へと向かった
階段を上がり
屋上のドアに手をかけると
何やら話し声が聞こえてきた
耳を澄ましてみると
どうやら話しているのは琉衣と愛斗のようだ
俺はなかなか入れず
しばらく会話を聞いていた
「…帰ろっかな…」
そう思い、来た道を帰ろうとした
でも、帰れなかった
「ねぇ、琉衣はさ歩夢の事どう思ってるの?」
俺の名前が出たから
帰るに帰れなくなってしまった
それに、琉衣が何って言うか
気になったから…
俺は再び座り込み
2人の会話に耳を澄ました
「歩夢とは小学校からの幼なじみでさ、結構付き合い長いんだよな」
「へぇ〜。そーなんだ」
「あいつ、すげぇいい奴でさ。俺は好きだよ」
ドキッとした…
琉衣が俺のことが好きって言った…
恋愛感情かどうかは
分からないけど、でも確かに好きだと言った
それだけで俺の鼓動は早まる
嬉しい…
「…それは恋愛感情じゃないんでしょ?」
俺がそんな事を思っていると
愛斗が不機嫌そうな声でそう言った
「友達として、幼なじみとしての好きでしょ?」
「…さぁ、どーだかね〜」
「ねぇ、はっきりしてよ。はぐらかさずちゃんと答えて」
「何だよ〜、そんな怒んなって」
「じゃあちゃんと答えてあげないと、歩夢に変な期待させちゃうよ」
「…あーもう、うるせぇな。歩夢の事は好きだよ。でもそれに恋愛感情はない。これで満足か?」
「うん!ありがと!」
琉衣がそう言うと
愛斗は満足そうに言った
余計なこと…言わないでほしかった…
聞きたくなかったよ、琉衣の口から
「琉衣が歩夢に恋愛感情を持つ事はないよね?」
「…そんなん知らねぇよ」
「え〜!」
…愛斗は、俺を嫌ってるのか?
俺が邪魔なのか?
だからあんな事聞いたのか?
「もう訳わかんねぇよ…」
気づいたら俺は泣いていて
屋上には入らず
そのまま教室へと戻った
愛斗…
ごめん…
俺はお前のことが…
大嫌いだよ…
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