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思いの丈2
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【陽人】
夏生が寝ている間、俺は冬弥と話をしていた
お互いのパートナーとやり直す為の話し合い
だけど、やっぱりそれなりに気持ちは残っていた
だからこそ、4人で話し合いたいと願い出た
「ごめん、夏生は元気?」
「寝てる、俺こそごめ…千秋は…」
「千秋いるよ?でもごめんな、俺はやっぱり千秋を手放すことは出来ないわ…」
「うん…」
多分、ずっと残る想いはそれぞれにあるだろう
まったく理解することなんて出来ない
4人で会うことにした
やっぱり面と向かうことが一番だろう
それでどうなるかは…
「陽人…本当に行くの?俺…」
震える夏生を抱きしめた
俺だって怖い……俺は、千秋を目の前にして、夏生を選ぶことが出来るのだろうか…
「行くよ、どっちにしろいつかは話さないといけないだろう?」
一番怖いのは俺だってわかっていた
夏生も千秋も手離したくない
冬弥から奪いたい
なんてね、言わないけど、ずっと心の奥にしまっておくことにする
好きなものは仕方ない
それもまた俺なんだし…
千秋もきっとどこかで俺を好きでいてくれるはずだ
もうそれでいい
震える夏生を支え、俺は2人の待つマンションへと向かう
途中、やっぱりもうこのまま知らぬ存ぜぬでいこうか…なんて、往生際の悪いことも考えながら
「着いた、夏生、行くよ?」
「う…ん、」
チャイムを鳴らすとすぐ、冬弥の声がする
オートロックが解除される音
自分から行こうと言ったくせに、本当は心臓が飛び出そうなほど緊張していた
手汗はもう凄かった
「夏生、今日はお互い全部さらけ出そうな」
部屋の前まで来ると、まだ鳴らしてもいないのに中から鍵が開けられた
「お邪魔します」
いつもの俺らしくないが仕方ない
緊張しているのがわかるが、隠せるほど余裕もなかった
「いらっしゃい、上がって」
「うん、ごめん、足が震えるわ」
素直に伝えた
4人ともが同じ立場であるはずなのに…
ひきつった笑顔もどうしようもない
「冬弥………」
「夏生……、いらっしゃい」
俺の前には千秋がいる
なんて声をかけたらいいんだろうか…
見つめ合ったままの俺たち
「いつまで見つめてんの?」
冬弥に肩を叩かれてようやく我に返った
「まぁ、こっちで話し合おうぜ」
呼ばれるまま俺たちはリビングへと進んだ
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