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思いの丈3
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【冬弥】
いつもの4人ならば、きっとゲームで楽しい時間を過ごせたのに
今はこうして4人でいることが辛い……
いつまでもギクシャクしていれば、勘のいい視聴者にはそれとなく伝わってしまうもので…コメント欄には、元気がない気がするだの、体調が悪いのかだのと心配の声で埋め尽くされてしまう
「いつまでもこのままじゃダメだよ、話し合おう」
4人でいるための解決方法…
元サヤ?それとも新しいパートナー?
選択肢は限られていた
本当は、自由な恋愛をすれば問題ないのかもしれないが、そんなに器用には出来ていない
お互いに居ないと潰れてしまうほど、必要としているのはわかっていた
「とにかく話そう、もうお互いわかってるんだから」
「そうだな…もう隠しても仕方ないし」
そうは言ったもののなかなか切り出せない
4人ともが口を噤んでいた
「あのさ…」
意外な事に、最初に口を開いたのは夏生だった
一番ビクビクしていたのに…
そもそも俺の顔をなかなか見てくれなかった
ちょっとだけショックな俺もまた、それ以上何も言うことが出来ない
千秋はと言うと…ずっと下を向いたままだった
なんて言うか…よそよそしい感じがする
陽人は…あぁ、やっぱり千秋を見ていた
悲しいけれど、多分2人は好き合っている…
だけど、それ以上に千秋は俺の事が好きだと言ってくれた
陽人はどうなんだろう…
「俺たち、結局のところどうしたらいいと思ってる?」
いきなり確信をつく夏生
そうだ、グダグダしていても始まらない
本音を語らなきゃ…その為にこうして4人が顔を合わせているんだから!
「夏生はどうしたらいいと思ってる?俺は…千秋とやり直したい、ごめん、夏生のことは好きだ、これも嘘じゃない、でも………」
「うん、俺もだよ冬弥、やっぱり好きだよ…だけど、俺も陽人と離れたら生きていけないから…だからありがとう」
俺たちの気持ちは伝えあった
となるとこの2人だけれど…果たしてどう答えるのだろうか
「陽人、もう一度俺と新しく始めてください」
陽人の手をしっかりと握りしめて、真正面で向き合う夏生
清々しいくらいの笑顔が、少しだけ寂しく感じた
俺は………千秋になんて伝えようかな
切なそうな顔で俺を見つめる千秋を抱きしめる
「冬弥……俺、」
「うん、もう離さないから、俺を選んで?」
その瞬間、背中に手がまわされた
「ん、ありがとう、お願いします」
さて、陽人はどう出るだろうか…
最後に口を開くであろう陽人に視線が集中した
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