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「突然呼び出してすみませんね。身元がはっきりしなかったもので……」
亘が病院につくと、警官がいきさつを説明した。
彼は雪斗の連絡先が分からず、ふと以前誤解から連行した颯人の身元を引きとった亘を思い出して連絡したのだという。
「知り合いだったから本当に良かった。ところで、あの少年の診断書を作ってもらったほうがいい。えげつない虐めを受けてたらしいので、相手側を訴えるのに証拠になるかも知れない。同一人物か不明だが今回のこともありますしね」
警官が助言し、更に続けた。
「何かあったら、相談に来てください。いつでも協力しますんで」
亘が礼を言うと、警官が帰っていった。
病室のベッドで、雪斗が静かに眠っていた。
医者の話によると、熱が下がれば問題ないらしい。
しかし、それ以前に深刻な問題があるということなので、雪斗の家族が来てから話をしたいということだった。
先程の警官の話で、雪斗が数人の男たちに襲われていたことを聞かされ忌々しさを感じる。
女装モデルで詐欺にあった話といい、酷い虐めの話といい、彼を性的にいたぶる汚い男達の欲望は次々と襲ってくる。
しかし、雪斗の心にしまいこんである残酷な出来事が後に明るみになることは知る由もなかった。
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