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歩いて
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学校まで歩いて向かう
世の中では当たり前のことなのに僕にとっては新鮮なんだ
「ほんとは車で行きたかったんだけど、毎日送り迎えできるわけじゃないから」
「…はい」
車で送ってほしいわけじゃない
でも一人の時間があるとどうしても逃げられるんじゃないかと期待してしまう
もう逃げないって決めたのに
家から歩いて五分こんなにも近くに学校があるなんて引っ越しして結構経つのに知らなかった
そもそも僕に曜日感覚や日にちの感覚はないからいつ引っ越ししたのかもあまり覚えてない
また自分で自分を苦しめてしまう
何も考えたくない
今から前に進めるかもしれないのに、僕はいつも後ろ向きだ
「緊張してるの?」
祐兄に声をかけられて職員室の前まで来ていたことに気がつく
ずっと下を向いて歩いていたから気がつかなかった
「ちょっとだけ…へへっ」
本当に緊張してきた
今度こそは毎日通いたい
いい子にしてないと…
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