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CHAPTER2
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〔カリフォルニア州〕
ジョンソン家の引っ越しが行われ、終わりに近付いてきた頃、ルーイは新しい学校へ行くことになった。ルーイは前に通っていた学校の友人たちが忘れられず少々拒んだが、ルーイも義務教育だと分かっていたため、行くことを決めた。
自分が新しく通う学校──ビーバー中学校。新しく通うだけあってかなり緊張しているルーイ。顔にはその感情がまさに張り付いているようだった。学校の中を歩いて行き、自分の担任になるであろう先生について行き、教室を紹介させられる。ルーイは不安のせいか、自分の元通っていた学校のことを思い出した。楽しかった思い出がよみがえり、彼の目には少しばかりの涙が浮かんでいた。
「Mr.ジョンソン?痛いところでも?」
先生に自分の表情を指摘されて我に帰ったルーイは、自分の顔をごしごしと拭き、「なんでもないです」と答えた。
自分がこれから毎日通う学校のクラスメイトとの初対面になり、緊張がまた湧き上がってくる。
「Mr.ジョンソン、入ってください」
先生の呼び声が耳に入ってきたルーイは、「もうどうにでもなれ」と思いながら教室の中へと入っていった。
「ミズーリ州から越して来ました、ルーイ・ジョンソンです。よろしくお願いします」
すでにルーイの頭の中には元通っていた学校の友人たちの顔が浮かんでいた。この学校でやっていけるかへの不安のせいだ。今はまだ授業があるから誰もいじっては来ないけど、もし休み時間に入ってから早々に誰かにいじめられるようなことになったらどうしようとか、彼はそんな思いばかりを巡らせていた。
先生の指定する席に座り、ルーイはただただその不安な思いに耐えるしかなかった。
そんな時、どこからか声が聞こえた。
「おーい、聞こえてる?」
隣だ。隣からひっそりとした男の声が聞こえ、ルーイは思わず声のする方向へ顔を向けた。
「やあ、ロックは好き?」
彼は自分の隣の席に座ってていて、唐突にロックが好きかを聞いてきた。ルーイもロックが偶然好きだったため「好きだけど」と返すと、「よっしゃ!」という声が聞こえた。
「俺ニコラス。ニコラス・ダンシー、よろしく」
彼、ニコラスが笑顔で自己紹介を終えると、ルーイも自然を笑顔になり、自分の自己紹介をした。先程までの不安が少し消え、ルーイのシワの寄った顔がだんだんと緩くなっていく。
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