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繭
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今日も遅くなった
別に生徒会は好きじゃない
でも、大切な人を護る為
「繭ー!」
「翔」
「こんな時間まで生徒会?」
「急な仕事が入ったし、翔がさぼるから」
「あはは・・・」
「それと」
「ん?」
「楓のライブに行く為」
「成程ね」
「うん」
「翔も」
「俺もいいの?」
「うん、今回は自分で服を用意した」
「そっか」
「翔はどうしてこんな所に?」
「逃げてる」
「氷龍?」
「そそ、筋トレするとか言われてさー」
「翔のムキムキはヤダ」
「だろ?おっとやばい!じゃ、気を付けて帰れよ」
「うん」
翔も大変みたい
別に弱いわけじゃないのに暴力は嫌いだから自分から絶対手を出さないし
和海は別として
そんな事を考えながら歩いている足を止めた
「誰ですか?」
「これはこれは可愛い子供だな」
「貴方達、この学園の生徒ではありませんね」
「さすが、会長」
誰の差し金?
「用件は?」
「簡単な事だよ、心が痛むけどお前を殺せって言う命令でさ」
「物騒な」
「お前もよく知ってる世界だろ?殺しやマッポに怯えているのは一般庶民だけ」
「それなら話が早いですね」
「強がりだけは一人前か?俺達は闇で稼いでいる格闘家なんだけど」
「その下品な顔を見ればわかります」
「このクソガキ!」
面倒臭い
今日は疲れてるのに
相手は4人
僕を相手に4人
舐められたものだ
「やれ!」
「はぁ・・・」
軽くかわし、一人目の腕を折った
「こいつ・・・」
格闘家が拳銃
だけど僕の方が上手だと言う事を知らない
並外れた動体視力を持っている事を知らないみたい
その時
「繭!」
「楓、だめ!」
「くっ!」
楓が・・・
膝から倒れ込んだ
僕の目に映るスローモーションのような悲劇
血を流して倒れてる
早く助けなければ
「殺す」
拳銃の弾は残り5発
全てかわし、持っていたナイフで首を切り裂いた
「楓!ゴメンね、楓!!」
「大丈夫、繭が無事で・・・」
「楓!」
「部屋のドアに・・・繭が危ないってメモが」
「もう話さないで」
急いで車を呼び、病院に向かった
普通の病院は危険だ
「ドクター、楓は?」
「弾は貫通していますので大丈夫です」
「急いで下さい」
「わかりました」
廊下の椅子に座りながら考えた
一体誰がそんなメモを?
「楓、ごめんなさい・・・ライブが」
僕のせいだ
もし、ギターが弾けなくなったらどうしよう
「繭!」
「翔、どうしよう」
「それより楓は?」
「今オペ中」
「そうか」
「僕のせい」
「違うよ、一番の悪は楓を呼び出した奴と繭を襲わせた奴だ」
「死体は?」
「氷龍に任せてあるから安心しろ」
「うん」
僕は敵が多すぎる
だから楓まで巻き込んだ
「そんな顔するな」
「僕はどうしたら」
「楓の傍に居てやれ」
「でも」
「とにかく、俺達は繭を襲わせた奴を探す」
「うん」
「一人で大丈夫か?」
「平気」
「わかった」
楓・・・
ごめんなさい
僕と知り合わなければこんな事にはならなかったのに
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