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お魚さん
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「はぁ……つかれた……っはぁ……」
「ごめん、抱きあげればよかったね」
「そんなの……っはぁ……いいわよ……」
最寄り駅とは違う駅まで走ってきた。
みーくんは体力があるのか息一つ乱れてない。
私も体鍛えたら体力つくかしら?
「それよりも……助けてくれてありがとう」
「いやー、それはまぁ彼氏として当たり前だよなぁ」
みーくんが苦笑いをして言う。
元はといえば私が女装してメイクしちゃってるのが悪いわけで。こんなことをしなければあんなことにはならなかったかもしれない。
これは謝らねば……!
「あの……ごめんなさい……!こんな格好で来ちゃって……」
「ふっ……なんで謝るの?こんなに可愛いのに」
「だって……これのせいでさっき変な人たちに絡まれたのよ?」
「んーこの格好じゃなくても絡まれたと思うけどね。紅葉は元から可愛いから」
「んなっ……」
みーくんには何を言っても適わないわね。
どうしてこんな男前の人がフリーだったんでしょう。信じられないわね。
「紅葉さー、魚と動物どっちが好き?」
「魚っ!」
「ふっははは!すげー食いつき」
はっ……!やってしまった……!
私は魚がすごい好き。食べるのも見るのも。
その為、私の部屋には熱帯魚と金魚と河豚がいる。あ、あと亀ね。亀が魚かどうかは別として。
「じゃあ、水族館行くかー!」
「やったぁ!」
この駅から地下鉄で2駅行ったところにある水族館に行くらしい。
というわけで切符を買って電車に乗る。
「魚、好きなんだな。俺も好きだけど。何が一番好き?」
「それは食べる方?それとも見る方?」
「どっちも」
んーそうねぇ……。
「食べるのなら鮭かしら。いろんな料理に使えるものね。見るのなら海鷂魚かしら。あの顔みたいなのが可愛いわよね」
「あーわかるー。俺も好きだな。あとは海月も好き」
「海月!ふわふわしてて可愛いわよね」
「紅葉もふわふわしてて可愛いよ」
「サラッというのやめてちょうだい」
道端で顔赤くなっちゃったら恥ずかしいじゃない。
でもきっとみーくんは「そんなとこも可愛いよ」って言うんでしょうねぇ……はぁ……好き……。
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