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いつも通り
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化学、英表、家庭科の3教科も問題なく終わって今は昼休み。
「いーちゃぁぁぁぁぁん!!!」
芽依ちゃんらしき人に呼ばれて声のした方を見るとすごく笑顔な芽依ちゃんと困り顔の優香ちゃんがいた。
『ごめん紅葉。止められなかった』
『わかってたわ』
顔だけで会話する私と優香ちゃん。
「いーちゃん!ご飯食べよ!ご飯!」
「はいはい」
だと思ったわ。テストの度に笑顔で私のクラスに来てご飯を食べようと誘ってくる。これは中学の時からだ。
私たちのクラスでまたあの6人でご飯を食べる。
前にはこのうち3人は目が死んでいたのに今は生き生きとしているじゃない。これはすごい成長だわ。きっとみんなテストいい感じにできてるのね。結果はわからないけれど。ええそう。自分ではできたと思っていても実際はケアレスミスがあったりして点数が予想以上に悪いということがよくある。だから結果が返ってくるまで正直喜べはしないのだけれど……まぁ今から底に落とすのは可哀想だし、それに悪いとも限らないからまぁ何も言わないでおくかな。
「いーちゃん!あのね!私ね!数学と英表すごいできたの!!褒めて褒めて!!」
「良かったわね。おめでとう。えらいわ」
みーくんと優香ちゃんが微妙な顔をして私を見てくる。
あんまり気持ちがこもってないように感じる?気のせいよ。 気のせい。あんまり上げてもね、落ちた時が可哀想だから適当に言っているわけではないですよ。ええ。
「優香ちゃんはどうだったの?」
流石にずっとこんな気持ちじゃいられないから人を変える。
「まぁ私はいつも通りかな。拓麻は?」
「俺も芽依と同じですごいできた!けど化学時間足りなかったから不安」
「時間が足りなくても解けている部分でしっかり点を取れていたら大丈夫よ」
「そっか。取れてるといーなー」
「そうね」
それから談笑をして本日最後のテストを受けた。
私たちはこの時まだ知らなかった。 考えていたことの通りになってしまうことを。そしてこの学校の厳しさを。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
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