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CAGE1:それは奇妙な巡り合わせ24
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そう思ったのに……。
「別にいいんじゃねーの?」
「え?」
聞き返すのと同時に僕は視線をあげた。
倉橋さんの目は窓の外に向けられているから、僕を写してはいない。
「別に幸せに思ったっていいんじゃねーの?アンタが幸せになっちゃいけない決まりなんてないだろ?」
何でもない当たり前のことのように言われ、僕は何も言えなかった。
確かにそんな決まりはなくて……
でも、僕は……
「……ダメですよ、僕みたいな人間が幸せになっちゃいけない。」
僕は、
「僕は、僕自身が許せないから。」
唇を噛み締めた。
そうしたら倉橋さんの視線がまた僕に戻ってきた。
「ーーじゃあ誰に許してもらうんだ?」
「………」
「一体誰がアンタを許すんだ?神に許しでも乞うか?……くだらない。」
「………」
「神に乞うのは逃げているだけだ。目を背けているだけだろう?」
向けられる視線に耐えられず、逸らしてしまった。
怖かった。
核心に触れられているようで、怖かった。
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