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月に狂う @雪琉Ver.
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水の音がする。
雨の音は好きだ―――すべてを閉ざしてくれるから。
そんな中で、俺は眠り続ける。
まるで、そう
起きる事を拒む様に。
月に狂う
どれほどの月日が流れただろうか。
俺達ヴァンパイアにとってみれば俗世など無に等しいもの。何の感慨も湧かない。
甘さも毒も、何も無い。そんな世界。
そんな世俗に絶望し、只、眠りに就いていた。
―――音がする。
うっすらと瞼を持ち上げると、棺桶の蓋が少し開いている。
どうやら、誰かに覗き込まれている様だ。
こんな廃墟でも、もし死なれでもしたら寝覚めが悪い。
そう思って身を起こした。
突然の俺の起床に驚いた風の青年は、どうやら人間の様だった。
「何か用か。人間が何の用だ。」
不機嫌も顕に尋ねると、何処か夜を思わせる青年はこう言った。
「俺はソワール。お前に会いに来た。」
と。
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