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96.日進月歩 【R-18】
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「クレイ…」
ロックウェルは部屋へとクレイを連れて行くとそのまま腕の中へと抱き込んだ。
「…苦しいんだが?」
「仕方ないだろう?勝手に攫われていたお前が悪い」
折角仕事を終えてクレイが待っている部屋に帰ろうと思ったのに、ヒュースからシリィに攫われたと聞いて気が気でなかったのだ。
「相手がシリィなら心配いらないだろうに」
「…そんなつれないお前が好きだ」
そう言ってやるとほんのり頬を染めるクレイが可愛くて仕方がない。
「シリィは何を言っていた?」
「恋人同士なのは本当か…と」
そんなクレイに甘く口づけ少しずつ溶かしていく。
「はぁ…」
「他には?」
「ん…っ。はっ…酷いことはされていないか…と」
「ふっ…酷いことなんて何もしていないのにな…」
「んんっ…」
「こんなにお前を愛しく思っているのに…」
「あっ…ロックウェル…」
熱っぽく自分を見つめてくるクレイをそのまま支えて深く口づけ望まれるままに魔力も交流してやる。
「ふぅ…ん…」
「クレイ…」
蕩けるように幸せそうな表情のクレイを満喫しながらそのまま自分も幸せな気持ちに満たされていく。
「クレイ…いいか?」
まだ食事前だが、こんなご馳走を前に我慢などできるはずもない。
けれどコクリと真っ赤な顔で頷いてくれたクレイをそのまま美味しくいただこうと思ったところで、思わぬ邪魔が入った。
コンコンッ――――。
そうやってドアをノックしてくる音でクレイが飛び上がってそのままするりと腕の中から脱出してしまう。
正直誰だと怒りたくなってしまった。
けれどそっとドアへと向かい扉を開けるとそこには何故かコーネリアの姿があった。
「あ…あの。今日はもうお帰りになったと伺いまして…」
「何か急ぎの用か?」
「あ…はい。あれから第二部隊の方で説明をしてきたのですが…」
そうして話し始めようとするコーネリアに話が長くなりそうだと思ったのだろう。
クレイが身だしなみを整えて、そのままドアを大きく開いた。
「ロックウェル。入ってもらったらどうだ?」
仕事の話なんだろうと尋ねてくるのでこれではそうだと頷かざるを得ない。
「俺は街でファルと一緒に先に食事をしているから、終わったら来るといい」
「……わかった」
ファルと一緒ならまあ大丈夫かと思い、そう短く返すとクレイはあっさりと影を渡って街へと向かってしまった。
本当に切り替えの早い奴だ。
そこには先程までの甘い空気など微塵も感じさせてくれない。
取りあえずそれならそれでさっさと話を終わらせて迎えに行くしかないだろう。
ロックウェルはコーネリアを部屋へと招き入れると、そのままゆっくりと扉を閉めた。
***
クレイは街に出るとすぐさまファルの元へと向かった。
「クレイ!」
そこにはいつもの様に自分を迎えてくれるファルの姿。
相変わらず豪快に飲みながら周囲には同業者が溢れている。
「なんだなんだ?会わない内に細くなったんじゃないか?ちゃんと食べてるのか?」
「…まあぼちぼち」
「やっぱりな。ちゃんと食わんと身体を壊すぞ?ただでさえロックウェルはしつこそうなんだから、体力がないとついて行けないだろう?ほら食え!」
「ぐっ…ごほっ…」
実に的を射た意見にクレイも真っ赤になりながら何も言うことができない。
「こうやって手の掛かるところはいつまでも子供だな」
ファルに掛かれば自分はどうもいつまでも子供みたいなものらしい。
そして暫く食事を摂りつつ酒を酌み交わしていると、ロックウェルとは上手くいっているかと尋ねられた。
「ああ。普通に上手くいっていると思うぞ」
「そうかそれは良かった。あいつは昔からすぐに相手をとっかえひっかえしていただろう?お前一本で大事にしているなら別にいいんだ」
どうやらファルなりに心配してくれていたらしい。
確かに昔からロックウェルを知る自分としてはファルの言葉も一理あるなと思った。
今ロックウェルは自分一筋でいてくれるが、それまでロックウェルに恋人が一人だったことなどなかっただけに夢のように思えて仕方がない。
「そう言えばファルはあいつが女だけじゃなくて男とも付き合っていたことを知っているか?」
「え?ああ。そう言えば何人かそれらしいのを見たこともあるぞ?」
それでもほんの数人だったらしい。
「やっぱり圧倒的に女の方が多かったよな。タイプも清楚系から色っぽいのまで色々だったし、来る者拒まずで食べまくってた時期もあったし、いや~若いっていいなと思って見てたもんだ」
「…それは俺も同じだ」
モテるから食い放題だなと思って、そんなロックウェルを他の者と同じように遠目に見ていた過去の自分。
それが何故かこうなったのだから不思議で仕方がない。
「まあでもお前だって付き合った数は少ないが、女の方が入れあげてたよな~」
「え?」
誰か付き合っていたかと尋ねるとファルがおかしそうに笑った。
「まあお前は付き合っている認識はなかったようだが、お前に入れあげてた女達はお前に振り向いてもらおうと必死だったと思うぞ?」
「……記憶にない」
「大体花街の女にもお前の閨テクは身も心も溶かされるとそりゃもう惚気られてな」
「?…そんなに特別なことをした覚えはないが?」
「短時間でこれ以上ないくらい満足させられるとうっとり言われていたぞ?」
「そうか。それなら良かった」
「ははっ…!だからお前を独り占めしたくて女達は頑張っていたのに…あれだろ?友達と遊ぶほうが楽しいからとか言ったんだろ?」
ブハハッとファルが面白そうに背中をバシバシ叩いてくる。
「そうやって振られた女達が大体俺の所に愚痴を溢してきてな、そうやって一通り話を聞いてやってると吹っ切れて段々いい顔になってきて、次に会った時には大抵いい男を捕まえているんだ」
「ああ。そう言えば俺に紹介しに来るやつもいたな」
「ワハハッ!それはあれだ!お前にざまあ見ろと言ってやりたかったんだろうさ」
「?ふうん?よくわからないな」
「…お前は本当にそう言う奴だよな」
どこか仕方がないなと苦笑してくるファルにクレイとしては首を傾げざるを得ない。
正直どうでもよかったからだ。
「まあロックウェルもお前もどっちも心配してたが、上手くいっているようで良かった良かった!」
そしてまた飲めと言って酒を注がれる。
「そう言えば今日はロックウェルはまだ仕事か?」
「ああ。出がけに部下が部屋に来て、話があるようだったから後で合流しようって言って先に出てきたんだ」
「なんだ。そうだったのか」
そうやって飲んでいると、そこに白魔道士が店へと入ってきてこちらへと声を掛けてきた。
「クレイ?」
「……っ!」
そこには今日まさに自分が吹き飛ばした相手が立っていて飛び上がる。
「何だ知り合いか?」
「…流しの白魔道士、アベルだ」
宜しくと言ってファルと握手をしているが、クレイとしては逃げ出したくて仕方がなかった。
こんなところで何かしてくるとは思わないが、とてもではないが一緒に呑む気にはなれない。
そうこうしているとロックウェルが姿を現した。
「…クレイ。その白魔道士は…」
「ロ、ロックウェル…」
明らかにホッとした笑みを浮かべた自分にロックウェルが何かを察してくれたのか、そっと手を取ってくれる。
「ファル、悪いがクレイはこのままもらっていく。そこの白魔道士とは少しやり合った仲なのでな」
「…そうか。わかった」
その言葉にファルもあっさりと納得して送り出してくれた。
「ロックウェル…助かった」
「ああ。何もなくてよかった」
そうしてそっと抱きしめるとクレイが不安げに寄り添ってくる。
どうやら少しトラウマになっているようだ。
「クレイ…もう帰るか?」
「え?」
「別にこのまま帰ってもいい」
「…それだとお前が腹が減るだろうに」
「じゃあお前の家でご馳走してくれ」
そう言ってやるとクレイはそうかと言ってすぐに使い魔達に指示を出した。
「最近お前の部屋が多かったから俺の家は久しぶりだな」
「そうだな」
そうしてクレイの家で軽く一緒に食事を摂る。
「そう言えば昼間ロイドと一緒に住むとかいう話をしていたが…」
ふと気になってそんな風に尋ねてみると、やはりと言うかなんと言うか、クレイは全く頓着してなかったようにあっさりと答えた。
「ああ。あの日はほら、お前に酷い目に合わされたと愚痴を溢していたんだ。そしたら同情して一緒に住むかと言ってくれたんだ」
やっぱり優しい奴だよなとクレイは言うが、どう考えても下心があるセリフだろう。
どうして気が付かないのだろうか?
「クレイ…お前が望むなら、私も王宮の外に家を買ってお前と住んでもいいんだが?」
「え?」
「お前が王宮に住みたくないならそんな手もあると言っている」
「…でもそれだと仕事上不便だろう?」
クレイが首を傾げながら言ってくるが、ロイドと暮らさせるのは以ての外だ。
「ロイドと住むのはよくて私とはダメなのか?」
ロイドだって王宮勤めではないかと言ってやるが、そこはクレイ的に別とのことだった。
「ロイドは俺と一緒で黒魔道士だし、影渡りを使えばすぐにどこへでも行けるしな。極論を言えば別にアストラスとソレーユの国境付近で二人で家を買って住んだとしてもお互いに何の支障もないだろう?でもお前は白魔道士だから影渡りはできないし、王宮に住んでいる今からすればずっと不便になる。そんなことはさせられないからな」
つまりはそういうことらしい。
それは自分の事を一番に考えてくれている非常に的を射た意見だが、自分としては納得がいかなかった。
恋敵の方が圧倒的有利とは許せるものではない。
「陛下にお願いしてお前の部屋を用意していただくか?」
「それこそ御免だ。俺は王宮勤めの魔道士でもなんでもないしな」
「今は教育係だし、陛下がお前を手放す気がないのならそれを理由に用意していただくのも悪くはないと思うが?」
「いらない。…俺はお前の部屋でいい」
「そうか」
今日のように邪魔が入るのはいただけないが、正直クレイが望んで自分の傍に居てくれるのは嬉しくて仕方がなかった。
「クレイ…そろそろ一緒にシャワーでも浴びないか?」
「…もういいのか?」
「目の前に先程食べ損ねたご馳走がぶら下がっているから気になって仕方がないんだ」
「?」
「勿論、お前の事だぞ?」
そこまで言ってやっと頬を染めるクレイが可愛くて、つい早く食べたいと願ってしまう。
そっと手を取りシャワーに向かって、そこで熱く口づけを交し合った。
「んっ…はぁ…」
「クレイ…」
あっという間に立ち上がったお互いをそれぞれ可愛がりながらシャワーを浴びる。
「すぐに前も後ろも洗ってやるからな」
「ん……じゃあ先に俺がお前を洗ってやる」
そう言ってクレイは甲斐甲斐しく先に全身を洗って背中を流してくれた。
「じゃあ私もお前を足の先から指先まで綺麗にしてやる」
そうして愛しい恋人をその言葉通りに隈なく洗ってやる。
「ほら、ここもしっかり洗おうな」
「はっ…あぁん…」
「お前の大事なところだろう?」
「んっ…んんんッ…」
声が響くのが恥ずかしいのか、必死に声を押し殺している姿にそそられてしまった。
「ここを…こうしてやると…」
「あっ…あぁあッ…」
「たまらないんだよな?」
「ふぅッ…!」
快感で潤む瞳が自分へと向けられて、たまらなく欲情してしまう。
「ほら、ここも…」
「や、やぁ…っ!」
「お前の身体の隅々までもう覚えてる…」
「はっ、はぁッ…!」
「ああ、でもまだやってない体位もあったな」
「え?」
驚くクレイをそっとバスタブの縁へと座らせて、片足を持ち上げながらゆっくりと挿入してみた。
「ひっ…!」
片腕でクレイが倒れないようにしっかりと支えて、そのまま奥までゆっくりとグッと差し込むと明らかにクレイが腰を引いてくる。
見るとフルフルと身を震わせていた。
「あッ…これ、いや…!」
「まあそう言わずに…試してみろッ!」
その言葉と同時に奥まで突き入れてやると、悲鳴を上げながら一気に絶頂まで飛んでしまう。
「あぁああぁあッ!」
身悶えながらギュウギュウと締め付け必死に逃げようとする身体を押さえ軽く突いてやると、また激しくビクビクと身を震わせた。
「ひっ…ひんんッ…!」
「クレイ…そんなに良いのか?」
これまでも感度は良かったが、最早この状態でも意識が飛びそうになっている。
この間道具で奥を念入りに開発したのが良かったのだろうか?
これで突き上げたら以前のように呂律が回らなくなるほど感じまくる気がする。
そう思い至るとニッとほくそ笑んで、ゆっくりと煽るように奥を突いてやった。
「ひっ!あんん…ッ!」
思った通りクレイが激しく敏感に快感を拾い上げて身を震わせる。
「あっ…あぁッ!あぅっ…!はぁん…ッ!」
クレイが全身で自分を感じ身を震わせる姿は本当に最高だ。
可愛い声が絶え間なく口からこぼれ落ち、その瞳からはポロポロと涙が溢れ出す。
「やっ…やらぁ…!」
「クレイ…いやらしいな。そんなに涎を垂らして…」
そしてどうしても我慢できずに、そのままクレイの男根を腹で擦り上げるようにしながら、奥を蹂躙するように激しく突き上げてしまった。
「ひあぁあぁあ!だめっ!そんなにしちゃダメえぇぇえッ!!」
そんな悲鳴に近い喘ぎと共に前からプシュッと潮を吹く。
「ひぃいぃんッ!やっ、やだぁ…!も、おかしくなるぅうッ…!」
懸命に逃げようと身をくねらせるクレイがどうしようもなく可愛すぎて、もうこのまま新たな境地へと開発し尽くしてやると、そのまま気を失うまで奥を責め立ててやった。
正直どんなクレイの表情も萎えることがない。
それをさせているのが自分であるという妙な高揚感が自分を満たすだけだ。
「ああ、こんなに感じて…」
グッタリと力なく沈み、後ろを緩ませたクレイからずるりと自身を抜き取るとそのままさっと互いをシャワーで流す。
「さっきの体位は寝台の縁でも似たようなことができるから、楽しみにしていろ」
むしろそこから更に別の体位に移行して蹂躙してやれるから、お仕置き向きの体位かもしれない。
身体を拭いて寝台へと運び、回復魔法を唱え何度も襲う。
身を弾ませ快楽の境地でイキまくる恋人に注ぎまくる背徳感に酔いながら、ロックウェルはクレイを堪能しまくったのだった。
翌朝クレイは顔から火が出そうなほど身悶えていた。
「最悪だ…」
いくらなんでも昨日の痴態は酷すぎる。
いつも以上に女のように嬌声をあげ、乱れに乱れまくった。
最早そこにプライドの欠片など存在しない。
「うぅ…ッ。もうロックウェルに合わせる顔がない」
逃げたいと言い出したクレイにヒュースがのんびりと声を掛ける。
【クレイ様。お恥ずかしいのはわかりますが、もうロックウェル様の前で見せていない顔などないのですから、お諦めになってはいかがです?】
そもそもいつも嬉々として乱すのはロックウェルなのだから、何一つ気に病む必要などないとヒュースは言い切った。
【クレイ様は溺れてらっしゃったのでお気づきではなかったと思いますが、そりゃあもう昨夜もロックウェル様の目は嬉々として輝いておりましたよ?】
やはり彼はドSだなと改めて思ったがそれを口にはせずに飲み込んで、クレイを宥めにかかる。
【嫌われてなどおりませんし、クレイ様はそのまま気にせずいらっしゃればよいのでは?】
「うぅ…。そうは言っても、このまま俺が変態方面に目覚めたらどうするんだ!これ以上は絶対にゴメンだ!」
【そうは仰いましてもお相手がドSなロックウェル様ですからね。クレイ様がうっかりを直さない限りはこれからも開発されるでしょうね~】
そんな当たり前の言葉を告げたヒュースにクレイがそんなと蒼白になった。
「うっ…。うっかりはわざとじゃないから直せないのに…」
【まあそうですね】
「でもロックウェルのドSなところも含めて好きだし…」
絶対に離れられないとクレイが泣きそうになる。
【そうですね~。まあドSの海でこれからも溺れ続けるか、クレイ様が頑張って新たな境地で攻めに転じるかのどちらかじゃありませんか?それこそ黒魔道士なんですから、色々考えてお楽しみなさってみては?】
どうでもいいようにそう言ったヒュースにクレイはそれだと叫んだ。
「そうだ。俺も頑張って色んな手でロックウェルと楽しめばいいんだな。さすがヒュース!」
やられっぱなしではなく、早速攻めの手も色々考えようとウキウキしながら寝台を降り、クレイはそのままキッチンの方へと行ってしまった。
【ロックウェル様…盗み聞きはいけませんね~】
ぷるぷると肩を震わせるロックウェルにヒュースは呆れたように声を掛ける。
【あのままでは逃げられそうなところを引き止めて差し上げましたのに…】
「いや…凄い話をしていたからタイミングがわからなくてな」
【まあそうですね。本当にクレイ様は放っておくと明後日の方に行かれますから…】
「だが結論が可愛すぎる…」
【まあ単純なお方ですから。そちらもご一緒にお楽しみくださいませ】
「もちろんだ」
そうしてそっと起きて居間へと足を向けた。
「ロックウェル?」
「おはよう。クレイ」
「お、おはよう」
少し照れたような顔がやけに可愛い。
これはやはり昨日の件があるからだろう。
自分としては最高の夜だったし、それほど長時間にはしなかったつもりだからクレイも悪くはなかったはずなのだが…。
「よく眠れたか?」
「う…まぁな」
そう言って改めて自分へと向き直り、クレイは意を決したように自分へと告げてくる。
「ロックウェル…。俺はお前に振り回されるのはそろそろ終わりにしたい!」
正直この言葉は先程盗み聞きしていなければ、別れ話と勘違いするほど勢いのあるもので、わかってはいても心臓が止まるかと思った。
本当にクレイはどれだけ問題発言を繰り出してくるのか…。
「…クレイ。私と別れたくなったのか?」
あり得ないが一応このうっかりにわからせてやろうと思いそう尋ねてみると、案の定暫く反芻した後で違うと言って慌てて否定してきた。
「ち、違う!別れたくて言ったんじゃないんだ!」
どう言えば良かったんだとオロオロする姿が可愛すぎて思わずクスリと笑みがこぼれ落ちてしまう。
「クレイ…こんなにお前だけを愛している私を朝から驚かせるなんて…お仕置きされたいのか?」
「え?」
「朝からお仕置きも悪くはないな?」
そうやって意地悪く言ってやると、クレイは真っ赤になりながら暫く考え始めた。
そして徐に自分のところまで来ると、ゆっくりと唇を塞いで、そのまま魔力交流を試みてくる。
「ん…」
それはいつもよりも積極的で、つい流されそうになるようなものだった。
しかも手は悪戯に自身を攻めてくる。
どうやらこれは攻めの一環らしい。
「はぁ…。いつもやられっぱなしも嫌だから、今日は俺が朝から口で抜いてやる」
そう言うや否や、益々磨きが掛かった口淫で積極的に責め立ててくる。
「ンッ…はぁッ…!」
やわやわと睾丸も指で弄ぶように可愛がりながら男根をしゃぶり舌を這わせる姿は淫猥で壮観だった。
「クレイ…!もう離せ!」
そう言うと同時に喉奥まで受け入れそのまま吸い上げスライドさせてイカせにかかってくる。
(くっ…ッ!最高だ…!)
正直これまで付き合ってきた相手の中で、口淫でここまで上手かった相手はいなかった。
そんな相手からの追い込みに当然耐えられるはずがない。
ドプッと欲を弾けさせるとクレイはコクリと素直に飲み込んで、唇をペロリと舐め上げる。
そしてどこかうっとりとした表情でニコリと笑ってくるのだから、そんな姿に心囚われて仕方がなかった。
「上手くなっただろう?」
最初から上手かったが、何度もやっているうちに更に上達した。
「こうやってたまには俺がお前を振り回したいと言う意味だったから、勘違いはしてくれるな」
そんなクレイを正直どうしてくれようと抱き締めずにはいられなかった。
「……私はお前に夢中すぎておかしくなりそうだ」
「え?」
「今夜は私の部屋で待っていてくれるだろう?」
「ああ。そのつもりだが?」
「…今日も沢山愛してやるからな」
そう言ってそっと口づけ、また仲良く出勤したのだった。
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