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……しばらくして涼と夏樹が煌たちの前に現れた
「あっ…こうちゃん発見。こんなとこに隠れてたのか…。
…てかこれかくれんぼじゃあないんだけど」
涼はため息をつき、苦笑いしながら近づいてきた
「こうちゃん。
俺が逃げるの遅いってわかっててあっちの方に行けって言っただろ。俺を囮にするなんてひどい……
…てっその人誰?」
夏樹は煌のことをムッと睨む
そしてその隣にいた知らない少年の方を向きますます眉を吊り上げ睨みつける
「!」
恭弥はいきなり人が増えたことに怯える
「夏樹ごめんな!わざとじゃねーぞ!ははっ
あぁこいつは俺の新しい友達だ、ここの家の孫なんだって!名前は恭弥‼︎
俺らより一つ上!見えねーよなっ ははは…
お前ら仲良くしてやってくれな」
煌が人懐こい笑顔を見せるとブツクサ言っていた夏樹もしぶしぶと黙る
「あっ…あのえっと水瀬 恭弥と申します、よろしくお願いします」
恭弥はオドオドしながら自己紹介をする
「僕は成宮 涼、よろしくね。そんなに怯えなくていいよ」
涼は恭弥を見てクスッと笑った
「…玄野 夏樹…」
夏樹は無愛想答える
「よっよろしくお願いします…えっとその涼くんに夏樹ちゃん…」
恭弥は少し照れながら、初めて『さん』づけ以外で読んでみた
そんな様子を見て煌は少し微笑んでんだ
「…はぁ?『ちゃん』ってなんだよ!俺は男だ!どこ見てんだアホっ!ふざけんなっ‼︎」
キッと鋭く恭弥を睨む
「すっすみません!えっと…その…綺麗な顔立ちだったので女の子かと思っていました…すみません!」
恭弥はあたふたしながら泣き目になる
「あ?バカにしてんのか?てゆーかてめぇも女顔じゃねぇーか!」
夏樹は指をさし指摘してくる
「そ…そんな僕は男の子です…」
恭弥は泣き目になりながらも抵抗する
ぷっ
「あはは…どっちもかわいいよ、女の子みたいで」
涼は笑いが堪えられず吹き出した
そして2人を茶化してみる
夏樹はキッと睨む
「どこの学校通ってんの?ていってもこの辺は一ヶ所しかないけど…田舎だから。
もしかして転校してくるの?」
涼は興味津々に尋ねる
「あっいえ、その…先日からお祖母様の具合が良くなくてそれで一時的にこちらの方に来ていたのです…」
少し俯きながらオドオドして答える
「あぁ…だからさっき…ごめんな…そんな事情があったなんて知らなかった…許してくれ」
煌はさっき恭弥が泣いていた理由が今わかった
眉を下げ申し訳なさそうに謝る
「いえ、大丈夫です。
ご心配ありがとうございます…」
恭弥は少し弱々しく目尻を下げた
煌と話すときは目を見て話してるが、
他の人たちに対しては目を合わせないで俯いて話していた。
そんな様子を見ていた夏樹はイライラしていた
「…やっぱり性格も女みたい…
メソメソ泣いて…」
恭弥に向かって嫌味を言う
「……あなたは大切な人がいなくなったら泣かないのですか?
自分も同じ立場だったらそんなこと言えるのですか?」
恭弥は目を泳がせながら反論する
「誰が死のうと俺は泣かない…他人に自分の弱いところ見せない…それにまだ死んでない…泣くなんて失礼だし」
夏樹は表情を変えず淡々と話す
「…夏樹さんは冷たい方なんですね…」
恭弥は眉をひそめる
「もうやめろよ…見てられない。夏樹もいろいろあるんだろうけどそういう言い方はやめろよな。
恭弥も夏樹のこと知らずに冷たいやつとか決めつけるのやめてくれ…人それぞれいろいろ事情があるんだ…」
煌が2人の間に割り込み仲裁に入る
「っ…ごめんなさい…」
恭弥はシュウンと俯く
まるで犬が飼い主に注意された時の姿だった
煌はクスッと笑う
「…男がそう簡単に泣くなよ…
お前が泣いているの見ると心が痛くなるし…」
「今日初めて会った仲だけど恭弥と初めて会った感じしないんだよな!」
恭弥の目を見つめて話す
「うん…もう泣かないように頑張る…」
「ぼっ僕もそう思います!初めて会った人ってちょっと怖いけど…煌くんのこと全然怖くないよ…」
「そうか…へへっ!ありがとな!」
よしよしっと煌は恭弥の頭を撫でた
恭弥は人懐っく微笑む
「おっと悪りぃ!俺そろそろ門限の時間だから帰るな!
じゃあまた明日な!」
煌はせかせかと帰る支度を始める
「そっか…じゃあまた明日」
夏樹は少し寂しそうに手を振って見送る
「バイバイ」
涼も手を一振りする
「恭弥もまた明日!」
煌は振り返りにかっと微笑む
「っ!うんっ!また明日ここで待ってるね!」
恭弥は自分の名前呼ばれとも思わず驚いた
そしてとびきりの笑顔で嬉しそうに手を振って見送る
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