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_ " 日記 "
" これから僕は此処で暮らすことになりました。相手の名前は知りません。でも、僕の居場所はここになりました。首輪、手と足に鎖が繋がれ真っ暗で冷たい部屋から始まった相手との1日。この人は、奇病や記憶喪失など気にしないと言って、利用しないと言いました。でも、僕はそんな言葉信じられませんでした。けれど何故だかここに暮らすことになりました。 "
__ 時は、日付の変わった早朝。
「...、暗い......、どうせこの部屋からなんて出られないんだ、」
目覚めた時にはもう明るい部屋にいると思っていた予想は見事に裏切られ、夜かと勘違いするほど暗い部屋にいた。床も冷え切り、空気までも冷え、僕の体を冷やしていっていたのだ。いつの間にか服は白のロングワンピースになっていた。やっぱりうまく利用されると思い、逃げようとしたその時、扉の近くで " 何か " が動いた。
「ぁ" - ...、?お前、誰。」
見覚えのない顔に驚き、距離を置く。高身長の相手。カーテンを開ければ綺麗な水色の瞳が長い前髪の隙間から見えた。名前を聞こうとしたその時、重々しい音を立てて扉が開いた。
「奏、おはよ。こっちおいで?」
「......、おはよう、ございます。」
起きてすぐに日記を読んでいたため、なんとなくうっすらある記憶の中でこの人が名前のわからない人、と思い出した。一緒に部屋の中にいた人は誰だったのかと思いながら部屋を出ようとしたが、何故だか僕は部屋の中から出られなかった。
「ぁ、あの......、?」
「奏!其奴から離れて!!」
「...、ぇっ 、」
高身長の名前の知らない人に抱き寄せられ、中々離れられず、結局は諦めて大人しくしておく。すると、優しく頭を撫でられたり、頬を撫でられたりされ始めた。疑問に思いつつも大人しく撫で受けをしていると、無理矢理離された。
「奏、此奴には近づくなよ?...、此奴、奏を追いかけてきたらしいから」
「僕を......、?」
「奏、っていうんだ...、?綺麗な名前だね。俺の名前はね、枢木 縷亜 ( クルルギ ルア )っていうんだ。枢木でも、縷亜でも好きに呼んで?奏さん?」
「よろしくお願いします...、枢木、さん」
唯一名前を教えてくれた綺麗な水色の瞳を持つ枢木さん。どうして僕を追いかけてきたのか気になるが、今は聞かずに部屋を出て行く。
「どうして枢木さんに近づいてはいけないのですか?...、貴方とは違い、ちゃんと名前を教えてくれました。なのに何故ですか?」
「...、あの人、見たことないの?奏のストーカーしてた人だよ?」
「でも、貴方とは違い、ちゃんと名前を教えてくれました。貴方よりも枢木さんの方がいい方です。」
小さくため息ついた相手を見るとどこか不機嫌そうな表情を浮かべていた。怒らせた、と思い、相手から1、2歩後ずさり距離を置く。何度も " ごめんなさい " と謝り、相手の表情を伺う。
「奏。俺の名前ね、晶 ( アキラ )。苗字なんてないよ、って言うかもう必要ないし。こんな名前言うこともないから。」
「...、あきら、くん?」
「そうだけど...、?別に、名前じゃなくてもいいんだけどね、奏が呼びやすいのでも構わないよ。」
_ やっと知れた相手の名前には苗字などなく、名前など捨てようしていたのです。
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