アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
Number:32
-
『おはようございます。明坂コーポレーション社長、明坂英二郎です。今回会見を開かせて頂いた理由につきましては、ニュース番組でも報道して下さっている通り、私の息子、早紀が誘拐された事に他なりません。私が目を離したばかりにこんな事態になり、皆様をお騒がせして申し訳ありません。ですが...やはり息子を誘拐した上、私を殺しかけたような組織を生かしておくつもりはありません。』
綾瀬は英二郎の会見を見るなりため息をついた。
「はぁ、この人ほんとに早紀のこと大事にしてないね」
「え?」
「普通誘拐した組織潰すよりも息子を探して下さいって言うでしょ。父親じゃなくていつまでも社長の顔で喋ってる。ほんと、気に食わないよ」
確かに綾瀬の言う通り、英二郎は探してほしいとは一言も言っていなかった。
「...あの人はああいう人ですから」
『killersという組織を確実に捕らえ、早紀は家に連れ戻し私の跡を継がせます。全力で早紀を捜索しています故、警察からの事情聴取も多々ありご迷惑をおかけすると思いますが、どうかご協力お願い致します。』
綾瀬は英二郎の会見を見終えるとTVを消し、早紀の方を向き笑った。
「本格的に警察が動き出したみたいだし、僕らもタダじゃ済まないね〜。いつまでもここにいられなくなるかもしれないよ」
「捕まったら...刑務所ですよね」
「あはは、下手したら死刑かもね」
早紀の質問に何も動じずに綾瀬は笑うと、リビングを出ていった。
「...どうしよう。冬夜さんはどこ行ったんだろ...」
その頃冬夜は近隣の知り合いに声をかけていた。
「まぁくれぐれも警察が来ても知らない振りしといてくれよ。お前はあんまり信用出来ねぇからこの街を離れることになるかもしれねぇしな」
だが、警察の手はすぐそこまで来ていた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
32 / 54