アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
*飲まれる
-
「………………………お願いします。」
その瞬間、猛烈な甘い匂い………オメガの発情独特の匂いに部屋中が包まれた…。
「…(っ、………やばい。………やばいっ……………。)」
藍原が理性を取り戻した途端この猛烈な甘い匂い。
「(っ………飲まれる…っ……。)」
藍原は凛月が他のオメガと違うことは薄々感じていた。
その違う点が、嫌な方向に進んでいる……。
こんなに匂いの強いオメガなどいない。
こんなにアルファを誘惑するオメガなどいない。
まるで匂いでアルファを自分のモノだと、暗示しているような……。
このままじゃ危険だと感じた藍原は、咄嗟に引き出しを漁った。
「(……………はやくっ、はやくっ!!)」
がたがたがた!
「…あ、っいはらしゃ……?」
「………あったっ。…」
ガリっ……ボリ……ゴクッ
即効性のある抑制剤のおかげで匂いが強すぎてもやがかかっていた部屋も段々とクリアに見えてきた。
「……はぁ、……凛月…ごめんな…うちにはオメガ用の抑制剤はないんだ。……辛いよな………楽にしてやるからな。」
初めてこんなに理性を失った……。いったい、凛月は………………何者なんだ。
「………ひっく、…ぐすっ…んっ………体…あつっ……ど、しよ……んっ…っ」
体から出る大量のフェロモンと初めて起こる症状に凛月は混乱して泣き出した。
「…(病院はこんな時間にやってないしな…。凛月には悪いけど……。)」
藍原はまた引き出しを漁り、自身が寝れない時などに使う睡眠薬を取り出した。
「…凛月、これ飲んだら良くなるから。」
「…んっ、……ほんと……??……っはぁっ」
「………ほんと。」
ガリっ……ゴクッ
「……はぁ……っ。なんか、……だる……あ、はら…さ…」
気を失うように倒れた凛月を支え、ゆっくり寝かせた。
睡眠薬は初めて使う場合は副作用とかでだるくなる。凛月には悪いがこうすることしか出来なかった。
そうしなければ………………凛月は………今頃どうなってただろう。
………抑制剤があって、本当によかった。
自分がアルファだと思い知らされた。オメガを前にすると自制ができない自分に腹が立つ。
アルファの自分にゾッとし
凛月にゾッとした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
26 / 69