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10.Black out ー遥人ー(リクエスト)
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昨夜、勇也が階段から足を滑らせて強く頭を打ってしまった。
急いで父に連絡して病院に連れていったが、少し気絶していただけらしい。
怪我の手当だけをして家に連れて帰った。
しばらくすると勇也は目を覚ましたが__
どうやら記憶を失っているらしい。
「誰だてめぇ…」
「だから小笠原遥人。隣のクラス」
「なんで俺がお前の家にいるんだよ」
しかもなんと面倒なことに、俺と出会ってからの記憶だけがすっぽり抜けてしまっているらしい。
だから勇也の中で俺は『隣のクラスの小笠原遥人』でしかない。
本当のことを話せば徐々に信じてくれるだろうか。
しかし、これを逆手に取って少し遊ぶこともできるかもしれない。
「信じてもらえないかもしれないけど…俺と勇也は恋人同士なんだよ」
「はぁ?俺は男だぞ?ふざけるのもいい加減にしろ」
「嘘じゃない。勇也だって俺のこと大好きだったし、いつもハルくんって呼んでくれてたのに」
真実に少し嘘を混ぜることで、普段の勇也なら絶対にしてくれないことでもやってくれるかもしれない。
勇也は信じ込みやすいから、意外といける気がした。
「そんな気持ち悪い呼び方俺がするわけ…マジで言ってんのか?」
「そんなに信じられない?じゃあこれ見て」
自分のスマホを取り出して、こっそり撮った勇也の寝顔や、料理をしている姿を撮った写真を見せた。
もちろん背景は全てこの家なので、俺の言うことを信じるには充分なはずだ。
「そんな…本当に?けど、俺はノーマルだしお前だっていつも色んな女と…」
「まあ出会ってからもう何ヶ月か経ったしね。色々あったんだよ」
色々あったで片付けていいのかは分からないが、今なら勇也の初々しい反応を楽しめるのではないだろうか。
「じゃあ、いつも俺と勇也がしてたことすれば思い出せるかな?」
「いつも…してたこと?なんだよそれ」
「ちょっとここに座って」
勇也を自分のベッドに座らせて、後ろに回る。
戸惑っている勇也の腕を頭の上に上げさせて、ロープで縛った。
「はぁ?!お前何してんだよ、外せ!」
「覚えてない?勇也は縛られるのが好きなんだけど」
「そんなわけあるか!外せって!くそ、なんでお前そんな力強いんだよ!」
ああそうか、勇也は俺の素性を全く知らないから非力だと思っているんだ。
それすら少し愉快に思えてきて、押さえつけた勇也に思い切り顔を近づける。
「なんだよ…なにすんだよ、やめろ!」
「キス…しちゃダメ?いつもしてたんだけど」
「だって…男同士なのに、そんな」
これだけで顔を赤らめてしまう。
可愛くて仕方がない。早く食べてしまいたいけれど、きっと勇也の中にはまだ昔のトラウマが残っている。
あまり無理矢理するわけにもいかない。
「愛し合ってるのに男とか女とか関係ないでしょ?一緒に暮らす程の仲なのに…」
「けどそんな…あっ」
勇也の薄い唇を親指でなぞると、目をきゅっと閉じて震えていた。
怯えているというよりは、恥ずかしさを我慢しているように見える。
「してもいい?」
「まだ、待って…」
「じゃあいいってことだよね?」
「やっ…んっんん…」
唇を重ねて、固く閉ざされた唇を割るようになぞる。
一向に口を開こうとしないので、耳の淵を指で撫でた。
勇也は弱い耳を責められて足をばたつかせる。
背中に手を添えてゆっくりと押し倒し、馬乗りになって暴れるのを抑えた。
「ん、はぁっ…んうっ…ん」
息が苦しくなって口を開いたのを狙って舌をねじ込む。
勇也の体自体はもう俺に慣らされてしまっているから、今の勇也の中では初めてのキスなのにもう溶けそうな顔になっている。
舌を吸って歯列をなぞると、腰のあたりがビクビクと震えて反応しているのがわかった。
抵抗していた足はいつのまにか動きを止め、息継ぎの合間に漏れる声は甘いものに変わっていく。
瞬間、ガリッという音がして舌に痛みが走る。
「っ…いってえ」
「変なことすんじゃねえ!…どけよ」
「変なことねえ…その割には随分と気持ちよさそうだけど」
「なっ…誰が、気持ちよくなんか…!」
また勇也の耳に触れると、反射的に目を瞑って体を引こうとする。
やはりまだ怖いのだろうか。ぐりぐりと指を動かして耳に刺激を与えていく。
「んっ…それ、嫌だ…やめろって!」
「耳が弱いのも変わらないね?キスも気持ちよかったでしょ、勇也の体は俺で感じるようになってるんだから」
顔を赤くしたままこちらを睨みつけてくるのが懐かしく感じる。
またこの反応が拝めるとは思っていなかった。
きっとそのうち記憶は戻るはずだし、もう少しくらいこの勇也と遊びたいと思ってしまった。
_______________
続く
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