アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
もう一度〜sideアヤセ〜
-
体がひどく痛む。
痛い。痛い。痛い。
痛い。痛い。痛い。
あまりの激痛に声を漏らす。
「痛いっっ!誰か…助け…て!!」
後から大きな腕に包まれる。
力強く、それでいて痛くない、
心地いいくらいの力加減で抱きしめられる。
「アヤ、落ち着いて。大丈夫。大丈夫だから。」
甘い声が聞こえる。
誰をも魅了するような透き通る綺麗な声。
意識が段々とはっきりしてきた。
「シュラ…。
俺、あの後気を失って……。」
「そうだよ。あのまま放置したくなくて、
連れ帰ってきて、手当した。
傷が思ってたより深くて、痛いと思う。」
言われた通り、全身がいたい。
でも今は体よりも心が痛い。
「なぁ、シュラ。何で俺を助けた??
同情なのか?だったらこんなことしないでくれ、
俺を本気で友達と思うんならほうっておいて。」
言いすぎた気もしたが、心優しいシュラに嫌われるには
これぐらい言わなければと思ったのだ、
「ぷ、あははは
相変わらず可愛いなぁ、アヤは。
僕に嫌われようてしてるの見え見え、
君を助けたのは、同情なんかじゃないさ、
僕のただの我儘!君に興味が湧いたから。」
シュラは綺麗な顔を少し崩して
派手に笑う。瞳の端にはうっすら涙が見える、
そんなに面白いこと俺言ったのか!?
「笑うな!バカ!」
なんだか馬鹿にされているような気がして、
子供のように言葉を返す。
「今みたいに素の自分でいて欲しいなぁ。
子供なんだから、子供っぽいところ見せないと!
アヤは年のくせに大人びすぎ!」
そう言えばさっきから、
「アヤ」
って呼ばれてる。
あんなに呼んで欲しかった名前。
名前を呼んで貰えるってこんなにも暖かいものだったんだ
でもさ、俺は素直な奴じゃないからさ
「さ、さっきから子供子供うるさいっつ!
シュラと対して年の差ないじゃないか!」
本当は嬉しいんだよ。
もう一度会いたいと願って、
名前を呼んで貰いたかったから。
「ねえ、アヤ。
僕とここで一緒に暮らそう?
前も言ったけど、身分とか僕は嫌いなんだよ。
だからそういうの気にしなくていいから。
本当の気持ちを教えて欲しい。」
あぁ、この人は俺の欲しい言葉をくれるんだ。
そう思ったらシュラの服の裾を掴んでいた。
これが俺の精一杯。
「シュラがそこまで言うなら、
別にここに住んでもいいよ。」
そっけない言葉だけど、
「やっぱり可愛いなぁアヤは。」
シュラは笑って許してくれる。
もう一度やり直そう。
逃げてしまったけれど、
今度は逃げないからさ。
「可愛くないっつ!俺は男だ!」
そんないい争いの末に
疲れてしまったのか、俺は眠りについた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
21 / 29