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日常と言う名の特別な日。7(創side)
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とうとうグループ決めの時間がやってきた。
各々好きな人と集まって楽しそうだ。きっと楽しいんだろうな。
よし、寝よう。寝ると言う行為は嫌なことから逃げさせてくれる素晴らしい行為だと思う。
早速机に突っ伏して、先ほど寝損ねた分もシッカリと夢の世界へ旅立つことにしよう。
だが、また邪魔が入った。先ほどと同じ後少しで眠ることができると言う瀬戸際で誰かが体を揺らしてくるのだ。今目を開ければ眠ることはできないだろう。だが、今ここで耐えれば相手は諦め、そして俺はぐっすりと眠ることができる。
しかし相手もなかなかの強者で、誰だか知らなけれどなかなか諦めてくれない。
それでもこちらも眠たいのだ、ここで負けるわけにはいかない…と思っていたのだけれど、その声をよく聞いてみて、その相手が誰だか分かった瞬間、顔を上げていた。我ながら単純である。
『ん〜…?……せーや、どーしたぁ?』
『あっ、やっと起きた!鈴野君って俺のグループで良い?』
『えっ、グループ…?聖夜の…?』
『うん、そうだよ。……あ、嫌だった…?』
嫌?そんなことあるわけない。寧ろありがたい。
だって聖夜のグループってことは、聖夜と一緒に薪割りしたり、テント張ったり、カレー作ったり、キャンプファイヤーで良い感じになったり、テントの中で2人で見つめ会って寝たり…いやいや、流石にそこまでは発展し過ぎだけれど、でも少なからず聖夜と一緒にいても不思議じゃなくなると言うことだ。
それは嬉しいのだけれど、他の人達はそれで良いのだろうか。
こんな嫌われ者と一緒で嫌だと思わないのだろうか。そこが不安だった。俺のせいで楽しくなくなる人が現れることを恐れてしまうのだ。
『いや、すッげーありがたいンだけどさ……良いのかなって…。俺がお前らの輪の中に入っても…』
『………ふふっ…鈴野君って小心者なんだね。そんなこと気にしなくても良いよ。ほら、皆んな鈴野君のこと待っているんだから、そんなところで日向ぼっこしてないで行くよ?』
傷つくくらいなら当日休もう、そこまで考えは至っていたのに聖夜に笑われてしまった。さらには小心者とまで言われた。そんなこと気にしなくて良い、なんて聖夜は言うけれど、それは聖夜の意見であって他の人の意見ではないではないか。他の人がどう思っているか、なんて分からない。
そんなこちらの不安な気持ちに気づくこともなく、手を掴まれたと思えばズカズカと歩き出して。持久走の時もそうだったけれど、聖夜は時に強引だ。
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