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かわいくてたまらない(凌side)
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ー凌sideー
いつも明るい朝日が今日はぼーっとして打ち合わせにも身が入っていない。
「今日の秋庭さん物憂げで儚くてたまらないわね」
「わかるわかる!あれは…絶対恋の悩みよ!」
「きゃー!」
スタッフがヒソヒソ(聞こえてますが)話してる声がする。男のスタッフまでも顔を赤くしている。
はあ、ただでさえ人を惹きつけるタイプなんだから、そんな表情しないでくれ。本人は気づいてないが、周りがチラチラ朝日を見てる。隼人もそれに気付いたのか集中するように声を掛けている。
打ち合わせの後、あの森田とかいう俳優が昨日の収録で何か言ったんじゃないかと思って少し問い詰めたら、やっぱりそうみたいだ。
居ても立っても居られなくて家に呼んで聞き出すことにした。2人きりで飲むのは実は初めてだけど、もう何年も我慢してるんだ、絶対手を出したりはしない。そんなので信用を失うつもりはない。
家に向かうタクシーの中で俺は朝日との関係を考えていた…。
朝日とは高校3年の時アイドルのオーディションで出会った。集まった中でも朝日はズバ抜けて綺麗な容姿をしていた。カッコいいではなくただただ透き通るような美しさがあって、俺だけじゃなくみんなが注目していたし、こいつは絶対通ると思った。
オーディションの結果、俺ら5人がグループを作ることになった。俺は単純にすごい嬉しかったし、話してみるとみんないいやつでこのメンバーなら結構いいところまで行けるんじゃないかっていう自信もあった。朝日が見た目に反して割と男っぽい性格で、何故か達観しているのには驚いたけど、この容姿だし色々あったんだろうなくらいに思っていた。
打ち解けていく中でメンバーの色々な面を見たし喧嘩もしたけど、いつも目指してるところは同じだったから、一緒にここまで来ることが出来た。そして…いつからか分からないけど気づくと朝日を目で追うようになっていた。いつも頼ってくれる朝日がただただ可愛かったんだ。
朝日は今までどうやって暮らしてきたんだ?ってくらい純粋な男の子で、しっかりしてるように見えて実は抜けてて、困っていたら助けたくなるし悩んでいたら話を聞きたくなった。ありがとうっていう朝日の笑顔がたまらなく好きだった。
…これが恋だとはっきり気付いたのは俺が朝日を犯してる夢を見て下着を汚した時かもしれない…。この業界だから男同士に嫌悪感とかはないし、朝日だったらそういう気を起こすのはおかしくない。現に朝日は女にも男にもモテる。ただ、この関係を壊したくないってだけでズルズルここまで来てしまった。例え告白して朝日に嫌われなかったとしても、今までと同じ笑顔を向けてもらえなくなることが耐えられない。
朝日に近づく奴らは男でも女でもチェックしてる。朝日は気づいてない…知られたらきっと嫌がられる…けど朝日の1番は俺でいたいという自分勝手なわがままだ。
昔、こいつには勝てないっていうすごい良い女がいて、自分の完全敗北を認めたことがある。2人は付き合い始めたけど結局少しして別れてしまった。あの時、朝日が俺の腕の中で泣いた時、弱みに付け込んで抱いてしまおうかと思った。…けど結局出来なかった。…信用を失いたくないって言いながら、俺には朝日に嫌われる勇気が無いだけなんだ…。
朝日がかわいい、手に入れたい、抱きたい、心も体も全部欲しい………でも…怖い、関係を壊したくない…
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