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またどもってます?
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…シリアスな雰囲気をぶち壊すように、
「はぁ、いい加減腹減った、どこで食う?」
なんて言いながらお腹をさする瀬野の声が。
「んー、どうしよっかぁ。今から教室っていうのも、なんか気が引けるしねぇ」
でもこの時間から中庭の方で食べるのは微妙だしカップル多いし、と悩んでいると、笹本くんから屋上は?という案が出た。
「あ、屋上はちょっ」
「笹本ナイスアイディアじゃん!でも確か屋上って鍵がないとあかねぇよな?まさか、持ってるとか?」
朝の件があり、気まずいので屋上はちょっと…と言おうとしたものの、その声は見事に瀬野の興奮気味の声につぶされた。
「おう、持ってる。」
笹本くんも笹本くんで、さっきまでの涙目はどこ吹く風?といった感じだ。それに、朝のことも全く気にしていないようだし…
「よっしゃ、じゃあ行こうぜ!さすが鬼って言われてるだけあるな…あ、ごめんごめん。でも今日初めて笹本と話してみたけど意外っつーか全然怖くないのな」
むしろいいやつじゃん、友だちになれそう、噂なんてあてになんねぇなー、と呑気に話す瀬野。
…最初に俺が笹本くんに話しかけられたとき、あんなに緊張してどもってたもんねぇ、と仕返しのつもりでからかうように言うと瀬野は一瞬で顔を赤面させ、す、杉田うるせぇよ、チビ!と早口で口走ったあと、笹本くんから奪うようにして鍵を取り、先に行ってっから、と走り去ってしまって。
またどもってるし、どもりながら言われても全然怖くないよ?なんて思ってため息を吐いた。
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