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思わず片手で顔を覆う。頬擦りしてきたんだけど! あの! 天下一生意気で反抗的な黒髪ちゃんがだよ! きっと、俺の手が冷たいから、体温上がってる黒髪ちゃんにとっては気持ちよくて、無意識にやってるんだろうけど。
これは、ちょっと、破壊力がヤバい。
「ジーク。黒髪はどうだ」
「ちょっ、アルクレイドみて! 黒髪ちゃんが! 黒髪ちゃんが俺の手に頬擦りしてるんだけど!!!!」
「……。こいつが正気になったら、羞恥で暴れそうな行動だな」
「その時はアルクレイドも止めるの手伝ってよ。うわ、うわ……。ちょっ、うわ、可愛い」
「言葉がおかしくなってるぞ」
「これはなるわ!」
即答で返すと、アルクレイドに呆れた顔をされた。もう! この可愛さが分からんのか! 堅物め!!
「取り敢えず、世話は終わったが、お前はどうする?」
「俺はこのまま黒髪ちゃんの看病するよ。人間の病気って夜拗らせ易いし」
「分かった。あんまり無理するなよ」
「はーい。今日はありがとう」
「貸ひとつな」
と、アルクレイドから、エロボイスのウインクいただきました。
訂正。
このイケメン堅物め!
アルクレイドが帰った後も、俺は熱で温くなったタオルを変えたり、汗を拭いたりと甲斐甲斐しく、黒髪ちゃんを看病した。まー。誰かの為になにかをするの俺好きだからねー。多少の徹夜くらい黒髪ちゃんの為って思ったらなんて事ない。
時たま、すりすりさせてたのは、内緒ね。
「……大分熱下がったね」
朝方。そっと黒髪ちゃんの額に触れると、微熱位まで落ち着いていた。これなら、今日ゆっくり休めば元気になるでしょ。
再びタオルと額に置くと、その冷たさで目が覚めたらしい。ゆっくりと黒髪ちゃんの瞼が開く。
「……っ」
「あ、起きた」
「 」
「どこか、おかしいところある?」
手で撫でると、きょとんとした顔をされた。
あ、きちんと意識ある時、手で触ったの初めてかも。
「いや?」
訊ねると、微かだけど、首を横に振る黒髪ちゃん。やっぱり、手で触ると素直だなー。
「じゃ、ご飯作ってくるね」
その後も、俺は甲斐甲斐しく黒髪ちゃんの看病をしてたら、途中で出勤したルンファクを卒倒させちゃったという。
「あの、黒髪が素直……嘘だ……。そうか、これは、夢だ、夢なんだ……」
「ちょっと! ルンファク! しっかりしてよ!」
よっぽど衝撃だったのか、意識飛ばしかけているルンファクを軽く叩く。君にまで倒れたれたら、俺二徹になるでしょうが!
ま、黒髪ちゃんの熱は昼過ぎには完全に下がったけどね。
「うん。あとは、栄養のあるもの食べて寝れば、完全復活だね」
ニッコリと笑うと、黒髪ちゃんは、粥を食べていた手を止め。
「 」
少し顔を紅くして何かを言った。
なんとなくだけど、黒髪ちゃんが何を言ったのかはすぐにわかった。
「もう! 可愛い!!!!」
「 !!!!」
思わず触手で触ったら、思い切り噛まれました。本当に、素直じゃないんだから!
「けど、君はそれ位が丁度いいね」
未だガジガジと俺の触手を噛んでいる黒髪ちゃんの喉奥へ、オレは数日振りに体液を吐き出したのだった。
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