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⑥
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「そこまでだ!」
その後も殴る蹴るわ刺されるわの暴行を受け、俺の意識がほとんど無くなった頃、遠くで鋭い声が聞こえた。かと思ったら、辺りを強い光が照らす。ほぼ見えなくなった視界がぼやけながらも映したのは、同じ制服をきた獣族達。
「な、なんでここに警察が!」
「にげろ!」
「待て! 全員逃がすな!!!!」
俺を放り出し、逃げていく獣族を、制服の獣族達が追いかけていく。なんだっけ、こういうの。刑事ドラマで見たことがあるような気がする。
バタバタという足音と、飛び交う罵声がどこか遠くの場所で起きてるように聞こえる。どこか安心したのか、もう思考すら働かなくなってた。
唯一感覚があったのは、握りしめていた指輪の感触だけ。取られる心配はもうないなと軽く手を開くと、光に照らされた魔石がキラキラ輝いてて、何故か泣きたくなった。
「……ごめん、なさーー」
不意に零れた言葉は、誰に対してのものだったのかーー。
「うわ、ひでぇ。今医療班がくる。気をしっかりしやがれ。 おい人間! 死ぬんじゃねぇ!!!!」
「ぁ……」
暖かいフカフカなものに抱き締められた所で、俺の意識は完全に闇へと落ちた。
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