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羨ましい
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教室に入るなり体に力が入った
黒板にデカデカと霧島彼方は耳と背中が弱い
と書かれているからだ
「うわ、タチ悪りぃ」
呑気にそんなこと言う輝にイラッとする
そりゃぁイラッとするだろ、なんでこいつは呑気なんだ
早く消すの手伝えよ、あほ
「マジで…一発殴らねぇと気がすまねぇ…」
「耐えろ…かな、かなが真面目に授業出ればいい話やんか、なんでそんな頑固な…」
輝に図星を突かれ余計にイライラする
分かってるけど…だけど
あいつの言うことだけは聞きたくなかった。
反抗…という時期なのか
俺も自分の情けなさにまで腹が立つ
「なぁ、かな頑張ろう?」
「はぁ?授業なんて単位のために出席さえすればそれでいいんだろ?そもそも勉強なんてわけわかんねぇし」
「俺が教えるし、さ…頼むよ、これ以上好き勝手やらせていいのかよ」
「いいよ…別に」
いいわけなんかなかった
輝なんて頭がいい上喧嘩強くて身長高くて
なんでもできるやつだった、昔からライバルだった
親が死んでからは、どんどん負けてる気がして
結局輝はなんでも持ってた。
それが心の中では羨ましかったのかもしれない
今まで気しないようにしていたが
今回の件で自分を見つめ直そうとすると
尚更虚しくなった。
だからだろうか、池羽の言うことも
聞きたくなかった、
はあああ…ほんとに
いらいらが収まらない。
「彼方〜!先輩が呼んでるってよ!」
「あ?」
先輩?誰だよ
「居ないって言え」
「無理だよ!うちの部活の先輩やもん!!」
頼むよ〜と手を合わせて頼み込んでくる
相当必死なんだろう。めんどいけど
先輩に目をつけられた方がめんどいし…
「はぁ…輝行ってくるから待ってて先帰んなよ」
「あ、うん、いってらしゃい」
ありがとう〜と泣きながら抱きついてくる
そいつを引き離して教室を出た
俺はこの先輩で我慢の限界だと告げることになる
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