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振り回される
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「つ、付き合い始めた!?」
いつもの通学路をダラダラと歩いていた
雀は元気に鳴いていて
時間時に通勤ラッシュだったからか
車通りが多かったし、ガヤガヤとうるさい
そんな中でも一際大きい声に耳を塞いだ
そんなに大きな声で叫ばれると耳が痛い
「るせぇ…」
「ま、まさかなぁ…びっくりした」
「そのまさかだって」
「そうだよね…」
言ってる本人が一番満更でもない。
好きと言われてからは
自分自身もどうしていいか分からなかった
「でも、おめでとう!」
そう笑顔に言う輝に少し表情が緩む
「おう」
学校に行くのも苦ではくなった。
いや、先生に会いたいがために授業出てるなんて
死んでも言わないけど
だが、学校ですれ違えば、
あの詐欺まがいな爽やかな笑顔で挨拶される
そのたび俺は悶えた、
あの笑顔は反則。
わかるな?俺の気持ちわかるよな?
恋したことぐらいあるやろ?な?
好きな人にとびきりの笑顔で挨拶されるんだぞ?
しかも嬉しそうに…
まあ、作者はひきこもりニートだから
キュンキュンする話
わからねーと思うけどな。
ぽんこつ野郎だからよ。
俺ですらこんなに死ぬぐらい悶えてるのに
作者はうどんこねて1人で
うんまーいなんでほざいてる奴には
死ぬまでわからないだろうな、、なんて
それはそれで悔しいものである
つくづく作者にはあたりの強いやつだ
図星だから言い返せないし憎たらしい
「彼方〜手止まってる」
頬杖付いてオフモードの先生は
早くしろよーとペンをほっぺにつんつん
してくる。どんな行動もかっこよく見えてしまうのは
好きだからかもしれない。
はぁ、やりたくないな
なんて思うことも無きにしも非ずだが
そんなこと言ってる場合では無いので
颯爽とペンを走らせる
「ここ違う、ほんとお前小学生レベル」
「え、てか!うるさ」
表情こそ大して変わらないがけたけたと笑う先生を
見ると怒ってるはずなのになんとも思わない
はぁ、どこが違うんだろう、
紙に目を移すが馬鹿な小学生にはわからない
「ここレ点ついてる」
「ほんとだ…だぁあーめんど」
勢いよくペンを置いて
机に顔を打ち付ける、
もう無理だ〜なんて弱音はいたら
どうせまた「ぽんこつなりに努力しろよ」
とか行ってくるんだろう、腹立つな
腹立つけど、心底ムカつくわけでもなく
さっきと同じで、
なんと言えばいいかわからない感情なのだ。
こんなに近ずいてしまえば
離れたとき辛いだろうな…なんて今思っていても
仕方ないのは馬鹿な彼方でも分かっていた
「彼方、こっち向いて」
池羽の声のとおりに
顔を上げると教師の池羽の顔だった
そっと頭を撫でるとおでこにチュッとしてくる
「なぁっ!?」
「落ち着いてやればできるよ?ぽこつくん」
そうやって言うと爽やかだった池羽は
ニヤっと笑い、悪い顔をした
くそ…こいつ…
少しでもドキッとした自分を返していただきたい
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