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第83話 のーたいとる。
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「かな、そろそろ行くよ〜。」
聞きなれた輝の声が聞こえ、もうそんな時間かと薄ら目を開く。毎朝の迎えは当たり前になってきている。大きく伸びをして起気上がろうとした。脳から発される電波とは裏腹、いうことを聞かない。
重たいなぁ…あれ、先生…?微かな意識で状況を把握するまでは時間がかかったのだが、自分自身に抱きついてくる
あれぇ。この状況は…どうなってるんだ?昨日は確か…あぁ、寝落ちしてしまったのだろう。
「かなー??寝てるのー?俺上がるよ〜?」
「お、おー!今起きた」
寝起きの声はかすかすで枯れていた、風邪のせいもあるのだろう。熱っぽさはまだ残ってたしこの様子だと1週間安静と言ったコースになり兼ねないんだけど。
先生…心配でもして帰らなかったのだろうか…
「お、おい、起きろ先生」
「…」
「マジで!、輝きた!…」
「…」
肩をさすってみたけど、穏やかな寝息が聞こえるだけで、なんの反応もなかった。
「勘弁してくれよ…」
つか、風邪うつるだろ…
「かなー?…って!お前!なんで池羽がいんだよ!」
「うるさい…」
扉から顔を覗かせた輝は一瞬で表情を変えた、また教師のくせに何寝込み襲ってんだよだがなんだか、何かをずっと言ってるけど寝起きの俺の脳はそれを理解しようとしなかったらしい。とりあえず輝、お前は落ち着け
ギャーギャーいう輝の声で目が覚めたのか期限の悪そうにうるさいとボソリと呟くように言ったがそのまま俺に抱きついたまま動こうとしなかった。
「もー。とりあえず先生、かなの事離してやって」
呆れたようにソファーに肘をかけながら肩を揺すった
「…はぁ、るさいって」
「はぁー!?」
相当腹が立ったのか今にも殴りかかりそうな勢いだったがまぁまぁ、宥める。いつから俺は仲介役になったんだ…
先生ものそりと起き上がってくれでやっと身動きが取れるようになった。時間…やばいな、遅刻する
「ごめん、輝今から準備するわ」
洗面まで行こうと立ち上がると一気に血の気が下がる。あ、やば、と思ってどこかにぶつける覚悟で歯を食いしばったけど、どうやら痛みがない、
おかしいなた思ったら、先生が支えてくれたらしい
耳を真っ赤にさせて手汗が出てくる勢いだ、これは…やばい。
なんであるあるでドキドキしてんだ俺…
「おい、風邪なら無理するな」
「いい、寝起きだからだし」
それだけ言って洗面に向かったけど、それ以上は言ってこなかったから無視して手早に準備をした
その時の輝の顔は見てなかった。彼方は輝の気持ちにはまだまだ気づかないままだった。
「池羽…かなの事頼むな、色々大変だったやつなんだよ。愛し方とかわからねーし、不器用だし、」
彼方が奥の部屋で顔を洗っていのだろう流水の音が聞こえてくる。彼方が居ないことを確認すると隣に座りトンっと方を拳でどついてボソッと言った。「なんだそんなことか。」とふふっ、と笑った
全部知っているような顔をしやがって。俺の方が彼方のことは理解している。…それに俺の方が先にあいつが好きだった
本人に言うとそれは嫌味になってしまうし、敢えて口を噤む。そこまで余裕ないわけじゃない…ただ幸せにしてやって欲しいだけなんだ。
「失恋するのも大変だな。まだネチネチしてんのか。早く次のヤツにいけ彼方は渡す気ねえから」
「な!…」
バレてるとは思ってなかった。顔には出さないようにしてた自分では完璧だと思っていたし。
全てにおいて前を行くこいつがにくい…結局は俺はこいつを超えられないのか…
「まぁ…幸せにすると約束するよ。」
「…」
「たまにあいつは無意識に色気出すから俺は理性と戦ってるんだがな。」
あぁ、かなは無意識が凄いからな…
「前なんて、我慢しなくていいだかなんだか…誘ってるのかと思ったけど、ただ奴なりに気を使っただけなんだが…」
「あぁ…確かにそれあるかも。まじ襲いたくなる」
「だろ」
決して顔に出してる訳では無いけどその声は、どこか楽しそうに話していた。いい顔すんじゃぁねえーか…
ったく…はははっ。
「辛いな」手を頭に乗せて言ってきた、…は?
「んだよ…同情かよ、」
「ああ、そうかもしれない」
「余裕なもんだな!くそ!、」
制服を着て戻ってきた彼方は「なにしてんの?行こ?」みたいな顔をしてたって待ってた
ほんと、もう
俺ずっとお前が好きだわ。
「おら!池羽!行くぞ!」
「えー…」
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