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22話「揺さぶった」
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※未成年の飲酒シーンが出ますが、現実ではお酒は20歳になってからです。あくまで空想のお話だと言うことをご理解ください。
結局、寝ないでグダグダと話しをし続け。
やっと就寝したのは午前3時前。
話し疲れてどちらともなく、ソファに寄りかかってぐっすり寝た。
だからだろうか。俺の中の下心とかそう言うのは消え去っていて。起きた時多少体が痛んだが、ぐっすりゆったりと寝てしまった。
「だからって遅刻すんなよ」
宇田っちの呆れた声が頭の上から降って来る。
「いや、気がつかなかったんだよ2人して目覚ましの音に」
「だからって遅刻すんなよ」
「宇田っち優しくしてー!!」
「うっせえ抱きつくな!でけえんだよお前!!」
俺が座っている席の隣に立って、珍しくこっちを見下ろして来ていた宇田っちに縋るように抱きつけば、苛立った口調で頭を叩かれた。
「いって・・・」
「はあ」
宇田っちは何かと気難しい。
「あ、そうだ。さっきお前が寝てた時、沢野が来てさ」
「沢野?」
「そ。二日酔いでだるいだのなんだの言ってた」
「どうでもいいわ」
昨日相当飲んだんだろう。
明らかに酔ったアイツからの電話を取ったことはちゃんと覚えている。
そうか、忘れていた。
今朝も一緒に登校して来たが、本原は沢野をフッて、違う女の子と付き合っているんだった。
「・・・」
「で、もう1つ」
「んぁ?」
1時間目の途中から学校に来た俺と千田。同じ階の別の教室に別れてからすでに数時間経っていて、今は丁度3時間目が終わった所。後1つ授業を乗り切れば、もう昼休みになる。
「千田が呼び出されたらしい」
「へえ・・何に?」
「何にっつうか、誰に、だろ。9組の吉井さんにだって」
「・・へ?」
9組の吉井・・と言えば、確か・・
「女子だよね、その子」
「当たり前だろ」
女子に、呼び出された、千田。
千田が、女子に、呼び出された・・・?
「え!?」
やっと自体を理解した俺は、大声を出して立ち上がり、椅子を倒しながら宇田っちの肩を力強く掴んだ。
「どういうこと!?それ!!」
「痛い痛い痛いデカい!!」
ガタン!!と倒れた椅子が悲鳴をあげて。クラス中の目がこっちを向いても。
俺は気にせず宇田っちの肩を掴んだまま、次にゆさゆさと揺さぶり始めた。
「なあなあなあなあなあ!!」
「うるせーし、いてーし、でけーつってんだよ!!俺の前に立つな!!」
「それヤバくない!?女子に呼び出し!?ヤバくない!?」
「どこがやべーんだよ!!!」
宇田っちお前全然わかってねえな本当に!!
女子に呼び出されたっつったらあれだろう完全にあれだろう!!
告白だろう!?
だめだよだってアイツ!!
だって、だって、千田は・・・
『ごめんなー。そういう話苦手でさー。たまに聞いてると嫌になって逃げ出すくらい嫌いでさー』
『聞かれるのも、聞くのも嫌だって。彼女いないし、欲しくないって、言っといて』
彼女いらないんだって・・!
何か、トラウマとかあるんじゃないのか。あんなに嫌がってた。悲しい顔して、疲れたような声で、拒絶してた。
だから、
「と、止めないと・・!!」
「・・は!?」
止めないと、千田が嫌な想いする。
いや、あんだけ悲しそうな顔したんだから、もしかしたら、過去に好きな人が死んでるとか付き合ってた彼女が遠くに引っ越しちゃったとかそういうのがあるのかもしれないし!!
「俺が、止めないと!!」
「落ちつけ!!!」
俺が、千田を守らないと・・!!
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