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スタイリッシュで高級そうなダイニングテーブルに、煮物などの田舎臭い料理が並ぶ
そのアンバランスに違和感を覚えるのは僕だけだろうか…
「やっぱ日本人は和食やな!」
すっかり目が覚めたのか
凌は美味しそうにご飯を食べ始めた
「…あ、そうや
今夜後輩連れてさくらちゃん所行くわ」
「……え」
「酒は用意せんでもええ
つまみだけ用意してや」
「あ、はい…」
そう答えてキッチンに戻りながら、僕は何を用意しようか思考を巡らせていた
この数週間
僕は怒濤の時間を過ごしたせいか
こういった平和な時間にほっとしていた
凌と出会っていなければ
凌がハルオのアパートに尋ねてこなければ
僕はずっと
多分一生
ハルオのアパートという籠の中でしか
生きられなかったかもしれない……
凌のマンションを出ると
すっかり空は闇に支配されていた
新月なのか
一層闇を深く感じる
……はぁ
春だというのに
まだ夜は寒い…
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