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いつの間にか、黒崎の姿はなかった
諦めたのか
それとも他にアゲハの代わりを見つけたのか…
僕はその場で泣き崩れたハルオを残し、店を出た
店内と違い、外の空気は冷たく
ピンと張りつめていて
僕の鼻や頬がじん、とした
久しぶりに学校へ行った
行った所で何かある訳でもないけれど
ハイジとの約束を守るために行く
多分、僕が普通であるために必要な場所なのかもしれない
普通の学生と交じる事で
僕の汚れた心と体が
少しでも隠せる様な気がする…
「…工藤」
放課後になり、帰ろうとする僕を呼び止める人がいた
振り返ればそれは、見知らぬ男性教師だった
「ちょっと手伝ってくれない?」
背が高く、眼鏡をかけ、何とも掴み所のない雰囲気を醸し出している
白衣を着ている事から、化学の教師だと思われた
「……」
返事もろくに返していないのに
その教師は僕に背を向け廊下を歩いていった
まさか無視する訳にもいかず
僕は教師の後をついていく
案の定、向かったのは実験室
中へ入ると、使った実験道具が机に乱雑に置かれていた
「一緒に片付けてくれないかな?」
教師はふんわりと、僕に言った
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