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引き金-5
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「代理…部外者を連れ込んだんだ、明日から学園には来なくても良い。別に仕事をしない理事長がいたところで邪魔なだけだ。居座られて学園の顔に泥を塗るくらいなら俺から処分してやる」
「……一体、なんの話だ!?女を一人連れ込んだだけでなぜ首にらなんといけんのだ!」
奏様に一気にまくし立てられ焦る代理は事の重大さが本当にわかっていないのだろうか。
服を着ながらこちらに近づいてきた。
「わしは理事長だぞ!なぜ一生徒に指図ができる!?お前らこそ退学だ!勝手に理事長室へ入りおって」
……わかっていないようだ。
「この学園では生徒会が学園の運営を任される代わりに、物事の殆どの決定権は生徒会にある。理事長とは成人したものとして書類に判子を押すだけの存在なんだよ」
「それがどうしたって言うんだ!?とにかく、退学だ!出ていけ!!」
毛玉との会話を思い出すが、まだ毛玉のほうが大人しかったんじゃないか……。
こんな大人と関わって生きれば、あの様に育つのも納得がいく。
「話が通じないようだが、構わん。今はあの転校生についてだ」
「何?宇理に何かしたのか貴様ら!」
「してくれたのはお前の甥の方だ。初日にして学園内の備品の破損、生徒会への過剰接触、他生徒への暴行で謹慎処分が言い渡された。判子をこの書類に押せ、最後の仕事だ」
「謹慎だと!?そんな訳あるか!宇理は優しい子だ、そんな事するものか!大体、生徒会への過剰接触なんて聞いたこともないぞ!」
声が大きい。
本当に血がつながっているんだな。
激高し喚き散らす代理は見ていて気分が悪いのだが奏様は見向きもせず、淡々と物事を進める。
「説明なんて面倒だ。どうせ居なくなるのに話すだけ無駄だからな………蓮、もうやっても構わんぞ」
「はーい…じゃ、秋、夏ヨロシク!」
いつの間にか代理の後ろに構えていたお二人は秋様が羽交い締めにし、夏様が首筋にペンを突き立てるようにして構える。
「何をする!?」
「暴れるとブスッとイッちゃうかもね〜?」
「ヒッ……!」
尚も代理が暴れるとフッと、お二人の纏う雰囲気が変わる。
それは明らかな殺気を含んでおり、宝石の様なアメジストの瞳に睨まれ、途端に静かになった。
まさに蛇に睨まれた蛙状態だ。
「うーん……あった!奏、これ横領ね。学園経費で風俗とキャバクラ…装飾品……あと、何これ?…ランニングマシン…その他諸々が落とされてる。全部、そのままの名前で領収書取ってるよ……バレないとでも思ったのかな?」
「一体1ヶ月でどれだけ浪費したんだ……1040万円!?………呆れて物も言えん……」
だから今年度の部活動に当てる予算が足りなさ過ぎたんだ。
よくバレないとお思いでしたね?
奏様は頭を抱えている。
「貴様らっ!放っておけば良いようにしおって!」
夏様方も呆れ一瞬油断したようで、また喚き始めた。
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