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初めての-5
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………これも、あと少しで食べ納め。
あと、少し。
日が過ぎるのは恐ろしいほどに早いく、体調を崩している場合ではない。
少しでも、あのお方の暖かさを感じていたいのだ。
また、頭がクラクラしてきた。
時計を見ると、もう8時前。
そろそろ帰ってくるだろうか?
料理に使ったボウルやフライパンを軽く洗い、食器洗浄機に入れていく。
ーーーーガシャン!!
その時、不意に感じた奏様の匂いに驚いて皿から手を離してしまった。
(なん、で………こんなに、あまい、の……?)
体から汗が吹き出る。
「澪、起きてるのか?何の音だ?」
玄関から奏様の声がした。
少しだけ急いだ様子でここへ向かって来る。
でも、自分の心臓の音が、まるでそれが耳に直接ついているみたいに、煩い。
息が、できなくなる。
何なのだ、これは。
食器洗浄機の扉に触れながら落ちた皿は当たりどころが悪かったのか、粉々になった破片がフローリングの床に無残にも広がっていた。
大きい欠片から拾おうとした姿のまま、ジンっ…と痺れた身体が震えてくる。
じわっ…と何かが溢れた。
「……澪?」
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