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居場所-3
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孫である奏様は+αと自分の能力不足で成し遂げられなかったことを次々とやってしまわれる奏様を自分の代わりのように溺愛した。
そんな愛しい孫の奏様に嫌いなΩがそばにいるのが許せなかったのだろう、何度もドアの隙間から湊様と奏様、大旦那様が怒鳴り合っている声が聞こえて。
何故、自分は奏様の側にいれるのだろう?と何度も考えた。
結局答えは見つからないまま、発情期がきて、与えられていた暖かな場所から自ら飛び出してしまう結果になった。
Ωととして欠陥品のままでいられたら……そう思わざるをえなかった。
『奏様は今はお休みになられています。昨日も夜中までお仕事をなさっていましたから、お疲れのはずです………もしくはお仕事を持ち帰っていましたから、それをなされているのかもしれません』
少しでも、奏様の為になるならば。
多少の嘘も許してほしい。
『………なぜさっきから推定の話し方なのだ?お前は納得がいかないが仮にもお前は奏の専属だろう!?奏に負担がかかるような仕事ばかり押し付けるっ、これでは奏が可哀想だ!』
むしろ生徒会の仕事は喜々としてなされてますよ、と言いたいところだがこの方の機嫌を損ねてはあとから何をされるかわかったもんじゃない。
「すみません……気をつけて入るのですが…」
『黙れ、言い訳など聞かん!!もういい、奏に変われ、儂が話す!』
背筋に冷たい汗が伝う。
専属である私が奏様の側にいない理由は、限られる。
命令か、勝手に離れたか。
先程奏様は眠っていると伝えたばかりで命令でしたとも言えない。
言えたとしても、熱があるこの頭では矛盾せず、尚かつ怪しまれない程度の理由を考えられない。
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