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ボス-6
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翔さんが脱力した私の手を握り、真摯な目を向けてくれる。
よく見ると、髪色が奏様と似ていた。
この人なら…………奏様を忘れさせてくれるかもしれない。
いっそ、奏様以外の人にこの身を差し出せば………本当の意味で諦めがつくかもしれない。
あの運転手の手は気持ち悪くてしょうがなかったけど、翔さんなら、大丈夫かもしれない…。
「…………分かった。でも、今日一日はここに泊まれ。翔はαだ、そんな所になんの準備もなくΩの澪を任せられない。今日中に必要なものを用意させるからそれまでは待て。いいな、翔?」
必死な翔さんにとうとう秋様が折れた。
「秋がそう言うなら、俺もそうする…………牧島、ちょっと来い」
仕方なさそうに頷いた夏様は牧島さんを連れてドアから出て行った。
「ボス、ありがとうございます!澪、明日迎えに来るから。ちゃんと休めよ」
表情が明るくなった翔さんは私の頭を撫でると、軽い足取りで夏様の後を追った。
必要なものとやらを話すのだろう。
最後まで、人に迷惑をかけてしまう私は何をやっても駄目なんだ。
これで、最後………ちゃんとお礼はしよう。
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