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運命の番-5 (Side 翔)
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昔にΩは性犯罪の被害を受けることが最も多く、発情期がある事から自業自得だと罵られ、自殺、他殺、強姦、誘拐、実験と度重なる不幸からその数を激減させた。
優秀なαを多く産むことが出来るΩが数を減らしたことで焦ったのはα。
αがいなければ社会は成り立たないと成立した法案が『オメガ保護法』で、それまで虐げられてきたオΩに希望の光が差した。
今では上流階級で手厚く保護され、俺たち一般社会ではその名前を聞くことすらなかったΩ。
優秀だと持て囃されるαでも、世界の何処かにいる運命の番と言われるΩが側にいなければ多くのαにとって人生は空虚なものになる。
人類において、その支配者はαではなくΩである。
そんなことを何処かの哲学者が言っていたか。
俺は空虚にはならない。
何故なら、今、目の前にいるΩは俺の運命の番だからだ。
血を軽く拭いてやると、その顔立ちが顕になった。
少し赤い顔で、すべすべの肌、長いまつ毛、スッと筋の通った鼻、ふっくらと桜色の唇。
文句のつけようがない位の美人さん。
心臓がうるさく鳴り響く。
やっと見つけた、俺だけのΩ。
初めて聞く声は凛と響いて心地が良い。
名前は澪と言うそうだ。
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