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城内を一通り見てから王の元へ戻ると何やら騒がしかった。
「王様!お辞め下さい!」
「うるさい!俺を誰だと思ってる!」
「…この国の…国王にございます」
「そうだ!その俺の言う事をお前らは黙って聞けばいいんだよ。おら、さっさと酒もってこい」
従事の者が慌てて酒を取りに行く。
これじゃあ、国王を降ろされるのも無理ねぇな。わざわざ俺ら外の奴に護衛を頼んだのも裏がありそうだな。
王座にどっかりと座り昼間から酒を飲み明かしている国王を一瞥し王の元を後にした。
中庭に来てベンチで日向ぼっこをする事にし座っていると国王について話している声が聞こえて来た。
「またあのタヌキが騒いでるらしいぞ」
「またか…。だが、あの大馬鹿タヌキも今日で終わりだからな。やっと平和が訪れるな」
「全くだな。アンドレア王子はあのタヌキと違って誠実な方だし、この国の財政状態も回復するだろう」
国王がタヌキと言われる程下の者からよく思われていない事が垣間見えた。それに比べ次期国王のアンドレア王子の評価は、高いらしい。
「だがあのタヌキの事だ、何かしら起こしそうだよな」
「確かに。何もない事が一番だがあのタヌキが素直に引くとは思えん」
程なくするとこの2人は去って行ったが暫く氷雨は物思いにふけるのであった。
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