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辻斬り討伐当日
113階フロアは、どこかピリピリとした緊張感が走っていた。いつ辻斬りが訪れるか分からない為、皆愛用の武器の手入れをしたり準備運動をし集中力を高めている者ばかりであった。
「も〜優人さん、酷いですよ〜!昨日、俺を襲いましたね〜?」
佐沼が優人に迫り寄っていた。今日の朝目覚めたら優人の部屋で寝かされており同室のアシュビに起こされた事から昨夜トイレに行った際優人に襲われたのを思い出したらしい。
「その話本当ですか!?」
雲筋が鬼気迫る顔で食いついて来た。
「油断している方が悪い」
「ぐぬぬぬ、何と小賢しい。そして羨ましい」
「おい、お前らうるせーぞ」
珍しく氷雨が釘をさす。と言うより自分の取り合いでこんな大勢の前で騒がれるのが嫌であっただけであった。
「ってか、今回の作戦って何かあるのか?」
「細かい作戦はありませんよ?」
「は?そんなんで勝ち目あるのか?」
「そうですね、今回の招集メンバーは皆実力者揃いですが、仲には単独行動を好む方もいらっしゃいます。そういう方達にとったら作戦に縛られるよりも自由に行動したいと思いがちですので敢えて細かい作戦は立てておりません。言わば捕まえたもん勝ちですね」
「がっはっはっ、確かにそれは一理あるな!かく言う氷雨くんもそのパターンだろ?」
「否定はしねー…」
氷雨にとっても自由にやらせて貰える方が余計な諍いを立てずに済みそうであった。
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