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そんな事は知らなかった5
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一通り話が終わったかのように見えたがそれでは今までと何も変わらない
相変わらず田丸は軟禁されて涼太は犯人を探すために危険な橋を渡るだろう
こういうのを事前に止めるのがやっぱり更生させる第一歩だと思う
襖をスーッと開けて俺は中に入った
「お前、誰の了見で入ってきた」
近くにいた奴が立ち上がり胸ぐらを掴んで来る
カチャっという音からして後ろでは赤木さんから拳銃を突きつけられているのが分かった
「おっと、どいつもこいつも喧嘩っ早くて困る、なぁ、龍」
俺がそちらを見ると一瞬訝しげだった表情が驚きに駆られた
「お前、、康太か…」
「そっ、久しぶりだな」
問いかけに答えて俺はニッと笑ってやった
「おい、離してやれ、誰もそいつには手ェ出すな」
「ありがと、やっぱ優しいなお前」
龍の合図で大人しく手を離され涼太に近付いた
「気分はどうだ?坊ちゃん」
「龍さんと知り合いなのか」
俺の問いかけには聞く耳持たず、自分の知りたいことを聞いてくる
「知り合いっつうか、元彼」
元彼という響きに自分で笑ってしまいそうだ
「お前を集会から離した責任は俺が取るから、もう田丸連れて帰っていいぞ」
肩をポンっと叩き龍の方に歩いた
「何、言って」
唖然とした声には今度はこちらが耳を貸さない
手を出すなと言われているからか後ろのガタイのいい男達は体勢だけ、いつでもこちらに飛びかかれるように直した
「龍、良いだろ?」
座ったままの龍のアゴを人差し指で上に押し上げこちらを見上げさせた
「っ、ああ、帰してやれ」
その許可を聞いて俺が安心した表情を浮かべるとそれがきっかけとなったように龍が話しだした
「ん、お前、本当に康太だよな、俺」
その続きを遮るようにアゴを押し上げていた人差し指を離しその唇をついっとなぞった
「続きはお前の部屋に連れてってからにしてくれ」
俺がそういうとリミッターが外れたのか
いきなり立ち上がった龍に抱きしめられた
俺は龍を抱きしめ返しながらこちらを凝視している涼太に大丈夫だと微笑んで見せてから龍の肩に顔を伏せた
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