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そんな事は知らなかった6
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涼太-side-
何があったのか理解出来ず案内されるまま外に出た
そこには前辞めたはずの運転手がいた
「坊ちゃん、海野さんから手紙を預かっております、読むのは車の中で」
その場で封を切ろうとすると止められた
どうにも嫌な予感しかしなかった
精神状態が不安定な田丸を後部座席に座らせることは止められてしまい助手席に座らせることになった
小窓も締め切って一人の状態で封を切った
中には一枚の紙とボイスレコーダーが入っていた
紙にはとある住所が書かれていた
『お前がこれを聞いてるってことはやっぱり俺は責任を取るって言い出したんだな
その運転手は俺が頼み込んで復活してもらったんだけど今度はワガママ言うなよ
正直驚いただろ?龍が俺の元彼だったって事
隠してたわけじゃないんだけどさ
‥なんか隠してお前とあんなことしてたように考えるとちょっとした背徳感が…悪ぃそんな空気じゃねぇか
紙に書いてあるのは密売の中心人物の居場所だ
俺なりに昔の情報網が残ってたもんで勝手に探させてもらった
田丸のために捕まえたかったら捕まえりゃいいがくれぐれも一人で行ったりすんじゃねぇぞ?
警察を頼れるようにこのことは執事さんに伝えてあるからな
最後に一つ頼みがある
悪いけど運転席の後ろの袋に退職届けがあるから出しといてくれねぇか
それが済んだら、
俺のことは、忘れろ』
再生が終わったボイスレコーダーはカチッと音を立てて止まった
運転席の後ろを探ると丁寧に封筒に入れられた退職届けが入っていた
「ふざけんな」
腹わたが煮えくりかえるような感覚なんて初めてだった
「勝手に決めやがって」
あの時、微笑んだ顔が寂しそうに見えたのは
「責任とか」
録音した声が最後は消え入りそうだったのは
「お前には関係ないだろうが、クソッ」
俺がこんな気持ちになるようにわざと仕組んであったとしか考えられない
「バカ野郎っ!」
血が沸騰するのかと思った
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